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広報担当者のためのマーケティング発想再入門

広報計画の立て方とマーケティングの連動

片岡英彦(東京片岡英彦事務所 代表/企画家・コラムニスト・戦略PR事業)

マーケティング活動の一環としてPRを行う「マーケティングPR」。筆者の実務経験をもとに、基本と実践のポイントを解説します。

前回(2月号)はマーケティングPRの目標設定の方法などについて書かせていただいた。今回は前号に続き、より具体的な「広報計画の立て方」にフォーカスしたい。キーポイントは「マーケティング戦略」との連動だ。

経営者は広報計画に不満が多い

企業の経営者やマーケティング部門の責任者の方たちからコンサルティングの依頼をいただき話をうかがうと、自社の広報部門への不満の声を耳にすることが多い。その多くが「計画性がない」というものだ。確かに、私もかつて企業に勤め広報部門を率いていたころ、上司から同じようなことを言われたことがある。企業トップの方の「広報計画」への不満は、だいたい図1のように分類される。

    ❶ そもそも「計画」(計画表、スケジュール表)が存在しない。見たことがない。

    ❷ 「計画」は一応あるが、「月間スケジュール」「アクションリスト」など、細切れの短期計画であり、「年間スケジュール」がない。

    ❸ 「年間スケジュール」はあっても、スケジュールの羅列に過ぎない。「数値目標」「ターゲット」など戦略要素が決められていない。

    ❹ 目標、ターゲット、施策のコンセプト、実行プラン、スケジュール、予算など一通りの戦略要素は満たしているが、何か腑に落ちない。実行してもうまくいく気がしない。広報部門だけで勝手に考えた計画だからではないか?

図1 社長(上司)の広報計画への不満

実際に広報部門の方たちと直接話しをすると「広報計画」を立てるのは難しいという声を聞く。確かに、旧来型の広報活動は、プレスリリースの発行、商品発表会、取材などの仕切り、メディアリレーションズ、ウェブサイトの管理、メルマガ配信など広報部門内で決定や管理を行い自己完結する要素が多かった。したがって、あまり初期段階(いわゆる風上)にあたる商品企画やマーケティング戦略に関わる機会もなく、販売開始の直前の最終段階(いわゆる風下)になって商品情報を共有されることも多かった。

旧来のマーケティング手法の4P〈製品(Product)・価格(Price)・流通(Place)・販促(Promotion)〉モデルにおいては、4つめのPromotionの中の、商品パブリシティ活動の一部として広報部門は位置づけられることが多い。新商品に関する広報計画を立てようとしたところで、すでに発売日が迫っており中長期戦略など立てようもなく現場対応に追われるというのが現実だった。

だがしかし、最近ではこれまでの広告主体のコミュニケーション活動に加え、PRコンセプトでのアプローチも重要視されるようになってきた。企業の広報活動が早い段階で経営やマーケティング活動と一体化することが求められている。言い換えれば、もはや広報活動や広報計画は広報部門内の独自のルールで決定され、部門内でのみ共有されるだけでは許されなくなった。そして、経営・マーケティング戦略と連動した広報戦略と広報計画を早期に用意することが一層求められている。

広報計画に本当に欠かせないものは何か?

具体的にどういう形で広報計画を立てればいいのか?何より大切なのは「経営・マーケティング戦略」の全体を把握することだ。意外とこの基本ができていないケースが多い。図2で、企業規模別の計画立案のポイントをまとめてみた。

図2 企業規模別 広報計画の立て方のポイント

一般的には広報計画書の大まかな内容は以下の項目が必要とされる
●与件の整理
●課題定義
●施策内容(ターゲット)
●スケジュール
●環境調査・分析
●目標設定/効果測定の方法
●予算

ただし、あまり広報計画書の作成を構えて考えてしまうと、かえってレイアウトや枚数など形式にこだわってしまい提案がしづらくなることがある。特に社内用の計画書は、あまり形式にこだわりすぎない方が良いだろう …

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