かつてブランド発信拠点は「ショールーム」「企業博物館」「アンテナショップ」に大別されたが近年、施設の多様化が著しい。「エンタテインメント」「デジタル」「飲食サービス」「他社&業態コラボ」の4つのキーワードで新事例を見ていく。

中華まんをかたどったソファも
2019年1月末にオープンした中村屋の「中華まんミュージアム」は既に3カ月先まで予約が一杯
2018年12月、セイコーウオッチが銀座にオープンした「セイコードリームスクエア」。1階の時計の歯車をかたどる展示台には創業者・服部金太郎の実績や歴代の代表的な時計が並ぶ。1894年に建った初代時計塔以降の銀座の姿をCGのペーパークラフトで描く映像も刺激的だ。
2階から4階までは主力ブランドのショールーム兼販売拠点。GPSソーラーウオッチ「アストロン」を扱う4階では、タッチパネル上で世界の都市を決め、簡単なボタン操作を行うとGPS機能が作動、アストロンの針が回りその都市の現在時刻を指す展示も。「デジタル」により、自社の歴史と商品を「エンタテインメント」として伝えている。各フロアには「富士山」「なすび」など和を訴求するモチーフもある。
「来店も売上も中国系のお客さまが多くを占めます」と副館長の小針宏明氏。スタッフは「自由にお撮りください」とSNSでのシェアを勧めていた。

時計の歯車をモチーフにした展示台上に創業者の言葉も
銀座の「セイコードリームスクエア」は企業ミュージアムとショールームが一体となる小売施設
中華まんミュージアムも登場
同月に羽田空港内にオープンした「ANA Hangar bay Cafe by PABLO」はANAと焼きたてチーズタルト専門店「PABLO」が協働するカフェ。「飲食サービス」「他社&業態コラボ」で、ANAブランドを体験できる …