かつてブランド発信拠点は「ショールーム」「企業博物館」「アンテナショップ」に大別されたが近年、施設の多様化が著しい。「エンタテインメント」「デジタル」「飲食サービス」「他社&業態コラボ」の4つのキーワードで新事例を見ていく。
2018年12月、セイコーウオッチが銀座にオープンした「セイコードリームスクエア」。1階の時計の歯車をかたどる展示台には創業者・服部金太郎の実績や歴代の代表的な時計が並ぶ。1894年に建った初代時計塔以降の銀座の姿をCGのペーパークラフトで描く映像も刺激的だ。
2階から4階までは主力ブランドのショールーム兼販売拠点。GPSソーラーウオッチ「アストロン」を扱う4階では、タッチパネル上で世界の都市を決め、簡単なボタン操作を行うとGPS機能が作動、アストロンの針が回りその都市の現在時刻を指す展示も。「デジタル」により、自社の歴史と商品を「エンタテインメント」として伝えている。各フロアには「富士山」「なすび」など和を訴求するモチーフもある。
「来店も売上も中国系のお客さまが多くを占めます」と副館長の小針宏明氏。スタッフは「自由にお撮りください」とSNSでのシェアを勧めていた。
中華まんミュージアムも登場
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