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激化する大学間競争 追手門学院大学は「教職員全員」で広報活動

谷ノ内 識(追手門学院大学 総務部広報課 課長)

大阪府茨木市にキャンパスを置く追手門学院大学。2019年4月には斬新なデザインの新キャンパスも完成予定。

「うちの大学はいいところがたくさんあるんだけど、広報がヘタで……」「そちらの大学の取り組みはユニークだとは思うのですが、大手私大や国立大学はしていませんよね。記事にするのは難しいですね……」。

皆さんこんにちは、大阪の追手門(おうてもん)学院で広報活動の現場責任者を務めている谷ノ内識(さとし)といいます。単独部署としての広報課の立ち上げ後に着任し、5年が経ちました。追手門学院は2018年に創立130年を迎えた学校法人で、大学・大学院、2つの中・高等学校、小学校、認定こども園の合わせて5つの学校を設置し、0歳児から大学院生まで約1万人が在籍する総合学園です。

冒頭に挙げた会話のうち、前者は大学関係者から、後者は報道関係者から私がよく聞く一節です。どちらも大規模、有名、大手、入学難易度(偏差値)が高いなどの枕詞がつかない中堅以下の私立大学関係者にとって、一度は聞いたことのある一節ではないでしょうか?

18歳人口の減少が顕著な中で、入学者の大半を依然として国内に依存している我が国の大学において、入学者の獲得をはじめとした大学間競争は避けては通れない課題です。787ある国公私立大学(2018年度現在)の中で社会に存在意義を認められ、毎年の入学者をどう確保するのか。収入の70%以上を学費に頼り、大学全体の36%にあたる210校(私学事業団調べ)が定員割れになっている私立大学業界にとっては最優先事項です。

今回、中堅(以下の)私立大学の中から追手門学院大学に声をかけていただいたことを嬉しく思うとともに、大手と比べて人員や予算が潤沢とはいえない私たちと同様の大学や企業などの広報担当者や経営者の皆さんのヒントになることを願い、追手門学院の挑戦をベースに私なりの考えをお伝えしていきたいと思います。

重視されるのは「社会的影響」

さて、連呼している中堅私立大学ですが、一体どのような立ち位置なのでしょうか。入試志願者数のデータから考えてみたいと思います。私立学校に対する補助金事業などを担う、日本私立学校振興・共済事業団(通称「私学事業団」)の「2018年度私立大学・短期大学等入学志願動向」を見てみましょう(図1)。

図1 私立大学における規模別の志願者数
出所/日本私立学校振興・共済事業団「平成30(2018)年度私立大学・短期大学等入学志願動向」
*入学定員充足率は、入学者÷入学定員。

私立大学582校の総志願者数が約416万人だったのに対し、入学定員3000人以上と学生数で1万2000人を超える大規模大学24校の総志願者数は約193万人でした …

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