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東洋大にマレーシアの首相が来校 その取材対応は?

榊原康貴(東洋大学 総務部次長兼広報課 課長)

少子化が進むなか、受験生獲得に向けブランディングに取り組む大学広報の世界。東西2つの私立大学の広報担当者が現場の課題をレポートします。

記念撮影にかけられる時間は正味2分間。演台の撤去や位置決めなどを瞬時に行う。

大学には周年行事や講演会、名誉学位の授与などで要人やVIPが来校する機会があります。年間にそう何回もあるものではなく、まさに一大事。広報は重要な役割を担うことになります。過去の経験や知見は貴重ですが、行事の内容や来られる方によって対応も変化していきます。

VIPの多くは寸刻を惜しんで来校するので広報対応で時間を割くことは難しく、むしろ全体の流れの中に上手く広報を滑り込ませていくイメージです。そのためには事前の調整やシミュレーションがとても重要となります。

そこで今回は、11月にマレーシア首相のマハティール・ビン・モハマド氏が来校した際の広報活動について書きたいと思います。

厳戒体制の中でのメディア招致

以前にも本連載で海外VIPが来校した際の広報活動について触れましたが、今回は現役首相。大臣クラスよりもさらに厳重なセキュリティが課されます。外務省や警視庁、マレーシア大使館との連携も必要です。メインの窓口は総務部総務課、私たち総務部広報課も総務課を通じて関係各所と間接的に調整を行います。外務省には来校の報道発表の可否、マレーシア大使館側とは取材招致内容などの調整が必要でした。

特にリリースを出すか否かは検討を要しました。メディア招致をすればその分セキュリティ周りに課題が生じます。大学側としてもマハティール首相の来校を広報したいと思うものの、取材に来ていただいても限られた時間では個別の質疑は難しいでしょう。広報として一番根本となる、こうした方向性を定めることに悩みましたが、やはりメディア招致をした方が良いと判断し調整を始めました。

一番の課題はセキュリティの問題です。警備周りは総務課を中心に検討します。SPは事前に現場導線やスケジュールの確認などを綿密に行います。そうした厳戒態勢の中、メディアの受付は広報で頑張らなくてはなりません。確実にIDチェックを行い、メディアの皆さんに気持ちよく取材をしていただくことが重要となります。

当初、リリースは記者クラブへの投げ込みなどを検討していました。しかし、来校の時間帯などのスケジュールが流動的で、当日のプログラムがなかなか定まりません。さらに大学側だけの判断で詳細を詰めることはできず、関係各所と連絡をとりながら準備を進めます。

その過程で、外務省から今回のマハティール首相来日行程について記者向けに資料が作成され、本学への来校についても触れられることが分かりました。東洋大学広報課の連絡先も記載されるので、これを見て問い合わせがあったメディアにだけ案内を送るというスタイルに落ち着かせることができたのです。

これで事前に情報を知るメディアと取材申し込みをしたメディアの把握がしやすくなり、当日のスケジュール変更などを個別に、かつ確実に伝達できる道筋ができました …

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