映像を使った社内コミュニケーション支援などを行うJストリームは11月22日、「インターナルコミュニケーションを活性化させる動画活用セミナー」を開催した。企業事例や調査結果を交えながら、従業員に伝わるコンテンツのあり方を紹介した。
第1部は佐川急便 経営企画・広報部 広報課長の山口真富貴氏が登壇した。
佐川急便では印刷物の社内報のほか、映像社内報「ふれあい」を月2回、約5万1000人の従業員向けに配信している。元々は従業員同士のコミュニケーションや会社の方向性周知が目的だったが、2012年から営業支援や従業員の教育ツールとして内容を一新した。
同社の荒木秀夫社長が社員とディスカッションする「社長と社員のTALK SESSION」や全国の営業所を従業員がレポートする「SAGAWA LINE」など様々な動画があり、いずれも3分以内の映像に編集している。基本的な営業マナーや荷物の取り扱い方を啓発する「SD one POINT」「DRIVER’S CHECK」は社員研修などにも活用している。
山口氏は「映像だからこそ分かりやすく伝えることができるコンテンツや、現場の『今』に合った情報を発信するよう心がけている」と話した。
受け手が利用しやすい方法で
第2部ではJストリーム 営業本部 カスタマーリレーション部長 兼 マーケティング推進課長の小室賢一氏が登壇。同社が11月に発表した社内広報の動画活用に関する調査データを用いて、動画活用のポイントを解説した。
近年、社内コミュニケーションに注力する企業は増加しているものの、社内報やポスターなどで発信しても受け手が認識していない場合も多い。
「利用者の情報接触頻度を上げるためには、閲覧する側が利用しやすい方法で届けることが重要。スマートフォンの普及などによって動画に慣れ親しんでいる現代では、映像を活用したコミュニケーションも有効なのではないか」と小室氏。実際に同社の調査結果を見ると、動画を使った情報提供は、動画を使っていない場合に比べて接触頻度が高いことが分かる(図1)。
内容については「社員の熱量や会社の雰囲気など、文字では伝わりにくいことを動画にすることで、よりその強みを活かすことができる」と解説した。
第3部ではJストリームの小室氏、佐川急便の山口氏、ストライプインターナショナル パブリックリレーションズ本部 本部長の石渡佑矢氏によるパネルディスカッションを実施した。
アパレルブランド「アース ミュージック&エコロジー」や洋服のレンタルサービス「メチャカリ」を展開するストライプインターナショナルでは、従業員約6400人向けに動画社内報「ストライプTV」を週に1本配信。専用のアプリも制作し、店舗で働く従業員とのコミュニケーションも図っている。
従業員の閲覧率を高めるための工夫について石渡氏は、「硬い内容であっても表現は柔らかく。テロップやBGMで、見たいと思う伝え方にしている」と話す。また、石渡氏、山口氏ともに「アンケート調査などを実施し内容面の改善に努めている」といい、PDCAサイクルを確立する重要性も指摘した。
小室氏は「トップメッセージなどを動画で発信することで一人ひとりにダイレクトに伝わり、共通認識を持つことができる」と話し、動画による社内広報の可能性について解説を加えた。
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