北米で19世紀後半以降に活躍し、現代広報PRの歴史的発展に貢献した偉人の功績を紐解きます。
企業間競争にプロパガンダを持ち込んだ発明王
トーマス・エジソン
◆ 発明家であり、GE(ゼネラル・エレクトリック)の創業者
◆ 電流システムの業界標準をめぐる広報合戦を仕掛けた
◆ ウェスティングハウスにプロパガンダに近い手法で対抗
傑出した発明家として知られるエジソンは、ゼネラル・エレクトリック(GE)社の創業者でもあります。GEは、彼が発明した白熱電球といった民生家電製品のみならず、発電から送電までを手がける電力事業に力を入れていました。GEが直流方式の送電システムを考案したのに対して、ジョージ・ウェスティングハウスが設立したウェスティングハウス(WH)社は、エジソンの宿敵とも言われたニコラ・テスラが発明した交流方式で対抗しました。
1880年代から90年代にかけて、電流システムの業界標準をめぐる両社(エジソンとテスラ)の確執は、「電流の戦い(War of Currents)」と言われています …
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