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ドラフト会議の行方は? 学生の門出に立ち会う広報

榊原康貴(東洋大学 総務部次長兼広報課 課長)

800近くある国公私立大学が受験生や資金を求めて競争する教育現場。スポーツ選手を多く輩出する東洋大学で広報を務める榊原康貴氏が、現場の課題や危機管理などの広報のポイントを解説します。

2018年10月25日、ドラフト会議当日の学生控室。指名を心待ちしている背中には緊張感が漂う。

学生アスリートのプロ入りや所属先契約、部屋入門などのタイミングは、卒業式よりも一足早い門出となりますが、東洋大学広報課でもこうした機会に立ち会うことがあります。中でもプロ野球ドラフト会議の場合、指名を受けるまでは想定外のことも多く、その場での対応が求められることも。事前の準備や段取り、関係各所との調整もほかの案件以上に気を遣います。期待と不安が入り混じる中、広報には何ができるのでしょうか。

そこで今回は、10月25日に行われた日本野球機構主催「2018年 プロ野球ドラフト会議」での東洋大学の広報活動について書きたいと思います。

東洋大から4人がプロ入り表明

毎年数多くのドラマが繰り広げられるドラフト会議ですが、今回、東洋大学からは4人の学生たちがプロ入りを表明していました。150km/h台の投手が3人、強力な打力を持つ野手の合計4人です。2016年に東京ヤクルトに1位指名を受けた今季大活躍の原樹理投手以来、久々の上位指名へ期待がかかります。

上茶谷(かみちゃたに)大河選手は20の最多奪三振のリーグ記録を樹立、甲斐野央(かいのひろし)選手は最速159km/h。187センチの高身長から繰り出す安定したピッチングで成長への期待がかかる梅津晃大(こうだい)選手。野球部主将で、PL学園高校最後の野球部出身でプロ入りがかかる中川圭太選手。このように話題性のある4人のドラフト候補選手たちが春先から注目を集め始めました。

ドラフト会議を中継するTBSから広報課への接触は5月下旬から。まだまだ先のことと思っていましたが、今思えばベストなタイミングだったかもしれません。単に指名後の会見を中継するだけでなく、指名待ちの様子も放送されることが予定され、しかも複数名の指名。

ひとりの指名であれば、記者会見は1回で済みますが、ドラフト会議で順位が確定するまで4人がそれぞれ時間を分けて対応する場面も想定されます。まさにぶっつけ本番の手探り状態。過去の経験則は参考にならないことは明白でした。当然のことながらドラフト当日はTBSの生中継以外にも多くのメディアの取材も入るであろうと考えると、規模感や全体像の見積もりもなかなかつきません。

大学野球のシーズンや夏の甲子園の結果によってはドラフト指名の内容にも変化が生じます。5月の段階ではまだまだ未知数なことも多く、なんとなく大変なことが起こりそうだという感覚だけは強烈に意識していました。課内のミーティングで話題にしながらも、準備できることもあまりないので、心構えだけ先行させていた状況でした …

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