社史や理念、事業の意義を見直す機会となる周年をどのように迎えるか。長寿企業から学ぶ連載です。


5月14日に開催された「未来共創『Jリーグをつかおう!』ワークショップ」には村井満チェアマンも参加。「社会にJリーグを開いていく第一歩になった」と話した。
1993年5月15日にプロのサッカーリーグとして開幕したJリーグは、2018年で25周年を迎えた。2017年11月には記念ロゴマークを一般公募し、400件以上の作品を集めたほか、地域・サポーター・企業など多数のステークホルダーを巻き込んだ企画を実施している。
Jリーグを地域につかってもらう
周年プロジェクトの集大成になったのが、5月14日に都内で開催された「未来共創『Jリーグをつかおう!』ワークショップ」だ。当日はクラブ、リーグ、日本サッカー協会関係者85人と、できるだけサッカーと縁遠い一般参加者246人が参加。55のテーブルに分かれ「まちづくり」「教育・子育て」など7つのテーマごとに、Jリーグをつかって「ソーシャルグッド」を生み出すアイデアを出し合った。
Jリーグのオフィシャル商品やイベントの企画、海外事業などを行うJリーグマーケティングの専務執行役員で、周年事業に携わった山下修作氏はイベント実施の背景について次のように話す。
「今までスポーツは『する・みる、支える』と言われることが多かったのですが、これからは一歩進んで『つかう』時代が来ているのだと思います。クラブが主語になるよりも、地域の皆さまが主体となってクラブをつかっていただくことで、たくさんの新しいアイデアを生みだすことが狙いです」。
当日は、「Jリーグ、農業やるってよ」「頭のよくなるスタジアム(スタジアムに子どもたちを集め勉強する企画)」「ウォーキング・サッカーの日」などのアイデアが発表された。4時間に及ぶセッションだったにもかかわらず、参加者からは「あっという間だった」「まだ話し足りない」といった声も聞かれたという。
ここで生まれたアイデアのいくつかはすでにいくつかの地域で実現しているほか、このようなワークショップを全国のホームタウンで開催する準備をしている …