北米で19世紀後半以降に活躍し、現代広報PRの歴史的発展に貢献した偉人の功績を紐解きます。
企業広報/広告のパイオニア
セオドア・ベイル
◆ AT&Tの社長を長年務め、負のイメージを払拭
◆ プロを雇い、社内にパブリシティ局を開設
◆ 企業広告によるキャンペーンのあり方を確立
アメリカ大手通信会社AT&Tの社長を長年務めたセオドア・ベイルは、20世紀初めに世論や顧客に対して自社の存続価値と事業の正当性を発信し続けた、企業広報・企業広告のパイオニアです。
ベイルが1907年に2度目のAT&T社長に就任した時、同社最大の問題は国有化への対応でした。19世紀末から20世紀初めのアメリカは、ロックフェラーのスタンダード石油やカーネギーの鉄鋼会社、J.P.モルガン配下の鉄道会社といった個別の民間企業が市場をほぼ独占していました。アメリカ連邦政府は、世論を背景に自由経済を保護するべく、シャーマン反トラスト法などの法整備を進めていました …
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