成長企業の社長たちが“今気になる社長”に挑戦状を突き付ける!急成長の裏に潜むPR戦略の秘密は、果たして明かされるのか……?
photo/樋木雅美(小田島氏)、小島 健(松浦氏)
Q.顧客よりも「社員」を大切にする コミュニケーション施策は?
新業態を取り入れてから急成長した万協製薬さん。松浦さんは顧客よりも「社員」を大切にしていらっしゃいますが、具体的にどのようなアプローチをしているのでしょうか。また、本業の枠を超えてとてもユニークなPRもされています。特に、地域貢献に力を入れているのには、理由があるのでしょうか。
(ゑびや 代表取締役 小田島春樹氏)

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A.ファミリー制度やジョブローテーションで部署の垣根を超えて社員同士の理解を促進し、離職率の大幅減に成功。
(万協製薬 代表取締役社長 松浦信男氏)

小田島さんは、私の弟子のような存在です。婿養子として「ゑびや」に入られた時から仲良くしていただいて。いつもその熱意と豊富なIT知識に刺激を受けています。最近では、当社のYouTubeチャンネル「BankyoTV」に協力していただくこともあり、とてもありがたく思っています。
私の父親が創業した万協製薬は、元々神戸市にありました。移転のきっかけは1995年の阪神・淡路大震災。激震地区にあった会社は倒壊して操業不能になり、社長も社員もやる気を失って廃業を考えていました。そこで、再建したいと思っていた私が1996年に父から会社を引き継ぐことに。その際、製薬会社の誘致に積極的だった三重県多気町で再スタートを切ることにしたのです。
当時の従業員は4人でしたが、今や170人まで拡大し、売上も100倍に伸びています。成長の理由は、自社ブランドをつくることをやめ、受託製造事業をメインに据えたことです。元々ブランド力がなかったこともあり、それならば開発と生産に特化しようと考えたのです。
これは、医薬品業界では先駆的なビジネスで、経済産業省の「がんばる中小企業・小規模事業者300社」や「おもてなし経営企業選」など多くの賞を受賞しています …