社史や理念、事業の意義を見直す機会となる周年をどのように迎えるか。長寿企業から学ぶ連載です。
2月に横浜赤レンガ倉庫で開催された「横浜ダンスコレクション2018」。今回で23回目を迎えたこのイベントに、シウマイ弁当で知られる崎陽軒の社員33人が登場した。当日はオリジナルの楽曲に合わせ、ダンスカンパニー「DAZZLE」の監修によるダンス「Link110th」がお披露目となった。同社の創業110周年の先行企画であり、社員によるダンスプロジェクトは今回が初の試みだ。
目指すは「真のローカルブランド」
その狙いは「真に優れた『ローカルブランド』を目指す」という崎陽軒の企業理念が大きく関わっていると広報・マーケティング部の小川萌子氏は話す。
「私たちが110年続いてきたのも、横浜の皆さんに育てていただいたおかげ。日ごろ食を通じて横浜を盛り上げたいと思っていますが、今回、ダンスという新しい形でも地域の皆さんに喜んでもらいたいと考え参加しました」。
実施にあたり、立候補制で参加者を募集したところ、販売員や商品開発、広報など部署や年齢を超えた33人が集まった。大半がダンス未経験の中、約5カ月にわたり練習を重ねた。
地域への貢献を目的に社外向けの取り組みとしてスタートしたプロジェクトだったが、社員同士のコミュニケーションの活性化にもつながっている。
「スタッフ部門の社員と販売員など、部署を超えたコミュニケーションの場はさほど多くないのが現状。ダンスの練習で頻繁に顔を合わせることで、他部署の動きを深く知るきっかけとなりました。今後はより連携を深め、新商品の開発やキャンペーンの企画などにも活かしたいと思っています」 …