成長企業の社長たちが「今気になる社長」に挑戦状を突き付ける!急成長の裏に潜むPR戦略の秘密は、果たして明かされるのか……?
Q.消費者に訴求する、小売業のPR戦略は?
マークスアンドウェブなどで素晴らしく成功している松山くん。大学の後輩で、実は私が仲人をしているくらいの関係なんですよね。元々松山油脂は大手メーカーの100%下請けだった墨田区の町工場でした。今は素晴らしい世界観をもつブランドになりましたが、PRにおいてあなたが一番大事にしていることは何ですか?
(スマイルズ 代表取締役社長 遠山正道氏)

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A.お客さまに自ら情報を見つけてもらえるように つくり手の視点からPRしています。
(マークスアンドウェブ 代表取締役社長 松山剛己氏)

遠山さんには大学時代からずっとお世話になっています。私が結婚した際には仲人役まで務めていただき、本当に感謝しています。今回はご質問をいただき光栄です。
マークスアンドウェブは、1908年創業のせっけんメーカー「松山油脂」の子会社として2000年に設立した、フェイスケア、ヘアケア、ボディケアアイテムの企画・販売を手がける会社です。2017年には持ち株会社「MMGホールディングス」を設立し、2つの事業会社をグループ会社としています。
店舗は2002年の丸ビル(東京)への出店を皮切りに続々と増え、全国81店舗まで拡大しました。現在の売上高は39億円(2017年9月期)と松山油脂を上回る規模まで成長しています。
PRはモノづくりのお手伝い
ご質問のPR戦略についてですが、当社はちょっと変わっています。まず前提として、広告はほとんど打ちません。私は元々博報堂で4年間広告に携わる仕事をしていたのですが、広告業界にいたからこそ「当社は積極的に広告を打つべきブランドではない」という考えがあります。
我々はマスを狙う企業ではなく、100人のうち2、3人のコアなファンがいればいいと思っているからです。その方々にリピートしていただくとともに、口コミやギフト需要などで評判の輪を広げていただくことが目標です。
そこで重視しているのが、お客さまに自分の言葉で語っていただくこと。消費者は、与えられた情報よりも自ら見つけた情報に価値を感じますし、愛着も抱きやすいからです …