オンラインの情報流通構造が複雑化し、広報の手法も変化しています。全12回シリーズで、デジタルPRの基本と戦略に活かすヒントを専門家がお届けします。
今回のポイント
(1)潜在的なファンにも情報を届ける
(2)「PRバリュー開発」の視点を持つ
(3)感性に訴える絵素材・動画の活用を
ウェブ上に流通する情報量が増えるなか、変化するプレスリリースの役割について前回は解説しました。今回はそんな新時代のプレスリリースのコンテンツ構成、ニュース価値のある情報発信の方法について考えていきたいと思います。
ニュースの出所には無関心?
前回まで繰り返し述べているとおり、プレスリリースとして発信した情報がメディアを介さず直接生活者に届く機会が増えてきました。もちろん、報道機関によるフィルターを通って発信されるニュースがなくなってしまったわけではありません。デジタル上でのリリース配信サービスやSNSの普及とともに、「生活者がニュースの出所を気にしなくなった」という点も一因としてあげられます。
公益財団法人新聞通信調査会(東京・千代田)が2017年11月に実施した第10回「メディアに関する全国世論調査」の結果によると、「ネットニュースを見る時にニュースの出所を"気にする"のは42.5%」「"気にしない"が57.1%と上回る」といった結果も出ているほどです。
メディアの種類が増えフェイクニュースの問題が取り沙汰されている今、むしろ企業が公式情報として発信しているプレスリリースは生活者にとって確実な情報ソースのひとつになっているという見方もできるのではないでしょうか。
PRバリューの合わせ技
このような環境であることを踏まえ、PR TIMESではPRバリュー開発プログラム「DEVELLOP(R)」を提唱しています。企業が発信する情報の価値を高める切り口やポイントを8点に集約したものです。プレスリリース作成の際に、この8つのポイントを意識することで報道機関のみならず生活者にも届きやすくなります …