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人気メディアの現場から

芸人のコミュニケーション力をビジネスの現場に活かす

NHK(Eテレ)『芸人先生』

報道対応を担当するPRパーソンにとって、気になるのがメディアの裏側。企業取材のスタンスや、プロデューサーや編集長の考えに迫ります。

NHK(Eテレ)『芸人先生』

    【基本情報】
    放送時間 毎週月曜午後11:00~11:30
    放送開始 2018年4月
    出演者 和田裕美(営業コンサルタント・作家)、桜井玲香(乃木坂46)
    スタッフ数 約15人

    反響の大きかったテーマ

    (1)「漫才先生~ビジネス基礎◯◯講座~第2回」(2017年9月25日放送)
    レギュラー化のきっかけとなった前身の『漫才先生』。サンドウィッチマンがカルビーで講義した。視聴者から「放送を見ていなかった人にも共有しました」と言われるほど反響があった。

    (2)「和牛×飲料メーカー」(2018年4月2日、9日放送)
    2年連続でM-1準優勝の和牛がキリンで講義。和牛の真骨頂「ヘリクツ漫才」の神髄にある「正直さ」をビジネスの現場に活かす方法を社員らに伝授した。

    (3)「相席スタート×食品会社」(2018年6月11日放送)
    「ちょうどいいブス」ネタで有名な相席スタートが東洋水産を訪問。男女コンビの2人が、「男と女」をテーマに職場のセクハラ問題への対処法を教えた。

2018年4月にスタートしたNHK Eテレの新型教養番組『芸人先生』。人気芸人らが企業を訪問し、「仕事に活かせるノウハウ」を講義する番組だ。前身は2017年9月に単発で4回放送した『漫才先生』。この番組に対して多くの反響があったことから、レギュラー番組としての放送が決まった。

芸人の世界は社会の縮図

担当プロデューサーは『オンバト+』(NHK)や『笑けずり』(NHK BSプレミアム)など、主にお笑いやクイズ番組の制作を手がけてきた松井修平氏。「漫才やコントは"究極のコミュニケーション術"」と語る。

番組は、芸人たちが先生となって企業を訪問し、社員たちが抱える課題に基づいて講義を行う内容。大手企業の社員らが、講義の前と後で成長する姿も描く。現役で活躍する一流漫才師やコント師の"笑いの技術"を、ビジネスの現場で必要とされる"コミュニケーション術"に昇華させ、現場ですぐに使えるノウハウにまで落とし込んでいるのだ。

「芸人が先生役を務める番組は他局にもありますが、ビジネスパーソンの"実務に役立つ"内容にフォーカスできるのは、Eテレだからこそ」と松井氏。

松井氏は、お笑い番組を担当する中で、「芸人の世界は社会の縮図。他に活かせないかな」と考えるようになったという。例えば『笑けずり』では、先輩芸人が後輩に対して、ネタのつくり方などのスキルやメソッドだけでなく、その背景にある「どう生きるか」といった「仕事に取り組む姿勢」の部分まで教える場面があった。

「当初は子ども向けの番組をつくろうと考えていたのですが、大人向けでも十分成立すると思い『漫才先生』および『芸人先生』が生まれました」。

芸人・企業と幾度も調整

2018年4月21日に放送した「ビジネス基礎『創る切り口講座』」では、バイきんぐの2人が先生役となり、タカラトミーで営業・開発などを担当する若手社員17人に講義を行った …

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