ドイツに本社を置く金融保険グループ傘下のAWPジャパン。グローバルで人事とコミュニケーション部門の連携を推進し、日本法人では2017年から社員アンバサダー制度を導入した。
グローバルで金融・保険事業を展開するアリアンツグループ(ドイツ)で、事故や故障時の電話対応としてロードサービス手配などを提供しているAWPジャパン(東京・品川)。1994年から日本でサービス展開してきた歴史を持つが、本格的なアリアンツグループ資本体制となったのは2014年のこと。近年はグループ全体で社内コミュニケーションを重視しており、2017年には日本法人が独自で社内アンバサダー制度を立ち上げた。
その背景には、グループが重視してきた企業文化とAWPジャパンの業務特性がある。「24時間シフト制で、顧客の緊急事態と向き合うのが当社の仕事。電話応対が中心なので、コミュニケーション力も求められます。前向きでハッピーなマインドが、ハッピーなサービスを生み出す──このような考えのもと、社内コミュニケーションの活性化が必要でした」。
そう語るのは、AWPジャパンのCOOを務めるムーン・パトリシア氏だ。ポルトガル国籍で、本国のHR(人事部門)を統括してきた経験を持つ。アリアンツグループは各社で人事とコミュニケーションの部門が一体となっており、その動きは全世界で根強い。
8割以上が「制度を継続したい」
日本法人の社員数は約200人で、社内アンバサダーは部署を横断した8人でスタートした(現在は7人)。そのメンバーの1人が、AWPジャパンの広報活動や社内コミュニケーションの現場を担う片倉亜矢氏(マーケティング・経営戦略部マネージャー)だ。チームは最初のミーティングで「ハッピーをイノベートする」という活動コンセプトを定め、最終ゴールは従業員のエンゲージメント指数向上とした。
アリアンツグループでは10年前から年1回、従業員意識調査(AES)を実施しており、従業員はウェブで70問程度の質問に答える。「誇りを持って働いているか」「働く場として会社に満足しているか」「友人に勧めたいと思うか」といった内容で、この回答結果からエンゲージメント指数が導き出される。日本法人では一時、この指数が22%(2015年)まで下がっていたが2017年には39%まで向上した …