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大学広報ゼミナール

スタートしてもうすぐ1年「LINK UP TOYO」の今

榊原康貴(東洋大学 総務部次長兼広報課 課長)

800近くある国公私立大学が受験生や資金を求めて競争する教育現場。スポーツ選手を多く輩出する東洋大学で広報を務める榊原康貴氏が、現場の課題や危機管理などの広報のポイントを解説します。

2018年4月13日に行われた、卒業生で落語家の三遊亭鬼丸さんの取材風景。オウンドメディアではテキストだけでなく動画も配信している。

世間と東洋大学との新しいコミュニケーションの模索を目指し、2017年7月に立ち上げたオウンドメディア「LINK UP TOYO」。スタートして10カ月、順調にコンテンツも増えてきました。もちろん育成途中ですので、目標とする数値にはまだまだ至らないのですが、この10カ月で重要な知見も蓄積されてきました。ここで得た気付きや発見は、私たちの広報活動にも意識変革を生じさせています。

今回はこのオウンドメディアを通じた広報の変化について書きます。

メディアを「育てる」感覚

オウンドメディアが先行している企業やいくつかの大学の事例を検証し、「東洋大学ならどうする?」「何ができる?」という問いかけからこのプロジェクトはスタートしました。それは現在広報課で感じている世間とのコミュニケーションの課題を見つめ直す機会にもなりました。そして立ち上げた同メディアは、わずかではありますが学内外で認知が向上し始めています。

それはオウンドメディアのひとつの利点でもある詳細なデータ分析から読み取れます。特に3月は過去最高のPVをたたき出しました。PV数は2017年の7月に比べて27倍となり、当初の目標にはわずかに届かなかったものの、世間との橋渡しになるメディアとして成長の兆しを実感しています。

この間、広報課の担当者たちは試行錯誤の連続でした。その作業は楽ではありませんが、新しいものに挑戦する姿勢で、企画やアイデア出しなど全力で取り組みます。そしてメディアの成長を促していく。例えるなら、小学校のクラスにあった「生き物係」。手間暇かけて、小さな変化を喜びとする姿勢が大切です。

綿密に仕掛ける大規模な取材招致や広告キャンペーンのようにダイレクトな即時の反応を期待するのではなく、むしろわずかな変化に一喜一憂する「育てる楽しみ」がこのオウンドメディアを通じて得た大きな財産です。

媒体力が向上しつつあることを実感する数字はほかにもいくつかあります。SNSからの流入や検索エンジン経由の流入も着実に伸びています。デバイス別のアクセス状況を見ても、スマートフォンやタブレット端末からのアクセスが87.4%を占めています。

大学の公式サイトよりもその比率がわずかに多い状況ですが、やはり気軽にスマホで見るスタイルが基本となります。こうした傾向は皆さんも感じていらっしゃるように、さらに進むことが考えられます。そうすると、記事づくりには一層ネタの「鮮度」が求められるようになるでしょう …

あと63%

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