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匿名記者が明かす残念な広報対応

「多分」「だろう」は厳禁!独断せず担当者に確認を

記者と広報は、なぜすれ違う?第一線で活躍するメディアの記者に本音で語ってもらいました。

全国紙 記者 Kさん(女性)

入社以来6年間、製造業を中心に企業取材を担当。工場萌えの気質もあるため、取材にかこつけて工場見学をさせてもらうのが楽しみ。いつまでも若手のつもりでマイペースに仕事をしてきたが、すでに中堅とみなされて後輩の指導役を命じられることもあり、何を教えたらいいのか戸惑っている。

入社以来6年間企業取材を担当し、様々な業界を取材してきた。大半の広報担当者が正しい情報をきちんと伝えようとしている一方で、困ってしまうのが情報を精査せずに広報の独断で回答してくるケースだ。

不安な情報は担当者に確かめて

「多分おととしだと思います」。あるメーカーに新製品の開発ストーリーを取材した数日後、原稿を書いている途中で開発を始めた時期を聞きそびれてしまったことに気がついた。「これは困った」とあわてて取材に同席していた広報に電話すると、冒頭の答えが返ってきた。

「今すぐでなくて構わない。取材に対応してくれた技術担当者に聞いてもらえないか」とお願いすると、「おととしで大丈夫ですよ。前に担当者が別の取材でそう話しているのを聞きました」との回答。あまりしつこく確かめると疑っているようで悪いなと思い、「それでは2年前と書いておきます」と電話を切った。

それから数時間後、くだんの広報から「すみません。不安になって本人に確かめたら3年前でした」との連絡が来た。なんとか締め切りに間に合い誤報を出さずに済んだが、これからは「たぶん」は信じず、必ず発言した人に確認してもらうようにしようと心に誓った。

その広報はベテランで事業についても詳しく、取材に同行してくれる機会も多かった。会社の方向性について自らの見方を話してくれることもあり頼りにしていたのだが、自分の記憶を過信しているところがあり、少し残念に思った。問い合わせ内容のすべてを担当部署に確認するのは現実的ではないと思うし、忙しい担当者の手を煩わせたくない気持ちも分かる。だが少なくとも不確かな点や自分が知らないことは調べてほしいものだ …

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