道後温泉本館の保存改修工事を前に、4年ぶりの開催となった道後オンセナート。地元住民やアーティストとともに対話を重ねながら、道後、そして瀬戸内エリアを盛り上げるために今後も新たなチャレンジを続けます。

地元からのラブコールによって、再び蜷川実花氏の「道後温泉本館インスタレーション」が実現した。

(C)mika ninagawa, Courtesy of Tomio Koyama Gallery/Dogo Onsenart 2018
2015年、2016年と道後アートという名称で行われたアートの祭典。2015年は蜷川実花さん、2016年は山口晃さんという、それぞれ1アーティストでの展開でこの2年は開催されました。
道後オンセナートが始まった2014年には道後の観光客が約81万人だったところを、2016年には96万人まで増やすことができました。地方の、しかも限られた一部のエリアでこれほど観光客が増え、地元の売上に貢献し、さらに今まで道後温泉には少なかった女性客が街にあふれるようになりました。
このように目に見える成果があったこと、また、愛媛国体の開催や道後温泉本館がいよいよ保存改修工事に入るというタイミングもあり、今春から道後のアート事業として4年ぶりに「道後オンセナート2018」の開催が決まりました。
地元にとっては道後温泉本館が保存改修工事に入るというのが大変大きな問題で、「今を元気にすること」と、「いかに未来を元気にするか」という2つの目線を持たなければならないことに直面していました。道後温泉本館は部分改修となりますが、観光へは大きな影響が出ることが考えられます。改修の期間に道後という街がどんな切り口で観光客に魅力を提供できるのかを考えなければならないフェーズに移ってきました …