2017年1月、クボタは新たなブランド強化プロジェクトをスタートさせた。社会課題を解決する「グローバル・メジャー・ブランド(GMB)」となるべく、新聞広告やCM展開とともに、報道を通じた企業価値向上に取り組んでいる。
「最も多くの人に信頼され、最も多くの社会貢献をなしうるブランド」へ──。
2017年1月、ブランド強化プロジェクトをスタートさせたクボタ。女優・長澤まさみが出演するテレビCMがおなじみだが、コミュニケーションスローガン「壁がある。だから、行く。」を掲げた新聞広告のほか、広報活動でも連動したメッセージを打ち出してきた。
2014年7月に就任した木股昌俊社長は社内外に向けて、「グローバル・メジャー・ブランド(GMB)」という長期ビジョンを掲げている。一連の活動はこのビジョンの早期実現を目指して始まった。
広報室とブランド推進室が協働
ブランド強化にあたり、クボタの広報・宣伝を統括するコーポレート・コミュニケーション部では2015年から経営陣との検討をスタート。2016年には日本市場におけるブランドの課題を洗い出し、企業メッセージのコンセプトや具体的施策を約1年かけて議論・決定していった。
「グローバルで事業展開しているものの、一般社会からは知られていない」というギャップを埋めるべく、すべてのステークホルダーが共感するメッセージを発信・浸透させ、「GMB」の礎をつくることを当面の目標に設定した。
「報道と広告は手段が異なるが、基本的に発信するメッセージの軸は同じ。コーポレート・コミュニケーション部で統合的なメッセージづくりに取り組むことで、相乗効果が得られる環境となっています」と説明するのは、同部の細谷祥久部長だ。同部は報道対応や社内広報を中心とする広報室(大阪・東京)、広告宣伝を担うブランド推進室(大阪)で構成される。本プロジェクトは両チームが連携し推進してきた。
木股社長が繰り返してきた「GMB」には、「2019年までに売上高2兆円を目指す」という数値目標だけでなく、「社会に貢献するブランドになる」というメッセージも込められている …