2016年に中期経営計画を発表して以降、ブランド力向上に一層注力してきたヤマハ。グローバルで体制変更を重ね、4月には社長直轄のブランド戦略本部も設置した。企業活動に密接したストーリーの発信にも力を入れ、先進性あるイメージ向上を目指す。
ヤマハは4月1日付で、新たに「ブランド戦略本部」を設置した。中田卓也社長を本部長とし、傘下にはマーケティング統括部、デザイン研究所、コーポレート・コミュニケーション部(旧広報部)が集結している。
背景には、「なくてはならない、個性輝く企業になる」「ヤマハのブランド力を一段高め、高収益な企業を目指す」という経営ビジョンのもと、2016年に発表した中期経営計画「NEXTSTAGE12」がある。同計画では12%の営業利益率を達成するという目標を掲げてきた。
元来、ヤマハはブランディングに力を入れてきた企業だ。2000年ごろから社内外に向けたブランド活動が活発化し、2007年にはヤマハ発動機とともに合同ブランド委員会を設置。2016年にはグループの理念体系をまとめた「ヤマハ フィロソフィー」(図1)を制定した。
「商品のイメージの総合体としてのブランドではなく、コーポレートとしてのヤマハがお客さまにとってどんな価値をもたらすのか。マーケティングの観点から全社のブランドに寄与する戦略について、検討や調査を始めました」と話すのは、マーケティング統括部長の大村寛子氏だ。
欧米・中国・日本の横断チーム
2017年にはその一環で、国内外のグループ各社で運営するSNSアカウントの管理にも着手した。海外拠点から本社のブランドマーケティンググループのマネージャーとしてオス・シモン氏が着任、ブランド戦略策定やブランディングコンテンツの企画制作を担当するほか、全世界に200以上点在していたヤマハ関連のSNSアカウントに統一のガイドラインを適用すべくグローバルの横断チームを結成した …