インターナルコミュニケーションを活性化させ、事業の成長を後押しする役割を担う社内報。今回は東京急行電鉄の社内報制作の裏側に迫ります。
東京急行電鉄
『清和』

東京と神奈川を結ぶ東急線などの交通事業、不動産事業を手がける東京急行電鉄では社内報『清和』と東急グループのグループ報『とうきゅう』を制作している。両誌は2016年度以降にそれぞれリニューアルしており、現在も改善を重ねている。誌面刷新にあたっては社内ヒアリングを実施。社内報の編集方針から見直し、『清和』の同年8月号の制作から反映している。
誌面の大きな特徴は、大胆なレイアウトとタイトルだ。2017年7、8月号では社内コミュニケーションについて特集を組んだ。上司と部下の関係性に絞った上で、つけたタイトルは「上司部下の事情」。見開きには、哀愁漂う部下の背中、頭を抱える上司の姿といったイメージ写真を掲載している。
「特集の冒頭で読者の注意を引き、中身を読み進めてもらうための工夫です」と社内報を制作する広報部広報課課長補佐の山本浩二氏は話す。この特集は従業員アンケートをもとに構成され、上司と部下が抱える本音をネガティブ・ポジティブの両面から率直に掲載した。ある社員からは「今回の社内報はコミュニケーションの研修を受けるよりはるかに意味があった」と評価されたという。他人事ではないリアルな声が読み手に伝わったのだ。
現在の編集方針について、山本氏は次のように話す。「当社では自由に議論し物事に挑戦していく姿勢を大切にしています。社内報では、"失敗を恐れず積極的に仕事に取り組もう"と思える社内の空気づくりや従業員の行動変革につながる工夫をしています」 …