業界ごとに存在する数多くの専門メディア。広報担当者にとっては、メディア対応の登龍門となることも多いでしょう。その編集方針やヒット企画、注力テーマを聞き、関係構築のヒントを探ります。
『LDK』編集部DATA | |
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「テストする女性誌」と表紙にうたう『LDK』は30~40代主婦層がメイン読者。100円ショップ商品やインテリア、金融商品などを幅広く検証する。「L(リビング)、D(ダイニング)、K(キッチン)」の誌名は、暮らしにまつわることはすべて扱うとの意味だ。
出版不況の中でも、2018年1月号は21万部(通常版15万部、判型の異なるミニサイズ版6万部)を発行する。同誌編集長の木村大介氏は、出稿主ばかりを意識する今までの雑誌ビジネスが既に崩壊しているのではと言う。「当誌は商品が読者にどのようなメリットをもたらすかにのみ目を向け、テストで徹底解明します」と編集方針を語る。手間とコストがかかりすぎることから商品テスト誌の分野から撤退する雑誌もある中、唯一気を吐く。
2018年2月号のプレミアム食品テスト特集では16ページの記事のために300商品を買った。すべて自費で、収納用品特集では購入費用が100万円を超すことも珍しくない。試食に丸3日かけ、読者を代表して編集部が複数の料理研究家のコメントや点数をまとめ五つ星から一つ星まで評価を下す。
2018年1月号の「100均・PB軍VS本家軍」では、クラシエフーズの「甘栗むいちゃいました」とダイソーの同種商品を比較。後者は半額以下で、味も大きさも変わらないとして100均商品に軍配が上がった。反対に2017年10月号「100均で叶う100のコト。」ではシヤチハタの印鑑とダイソーの品を検証。インクが出なくなるまで紙に押印する実験を行った。前者は2万2875回、後者は2万1250回でインクが切れ、前者の方がお得と報告する。
評価に寄せる読者の声も重要なデータだ。ボディソープのテストでは、当初「洗浄力」「保湿力」などが基準だったが、読者から「成分表示は?」といった声があり、次年度からそれを加えた結果、ランキングも変化したという …