成長企業の社長たちが“今気になる社長”に挑戦状を突き付ける!急成長の裏に潜むPR戦略の秘密は、果たして明かされるのか……?
Q.心をつかむ個性的なPRの秘密は?
新連載が始まるということで、『広報会議』3月号の巻頭特集に登場した私がトップバッターを務めることになりました。
井手さんとは以前から仲良くさせていただいておりますが、2017年5月には一緒にイベントを開催しましたね。その際、お話しを伺っていて“すごい!”と思ったのが、社員の皆さんのモチベーションの高さ。
PR施策も社員の熱がこもった個性的な企画が多くて、いつも気にして見ています。メディアやその先のファンの心をつかむPRの秘密をぜひ教えてください。
(メルカリ 取締役社長兼COO 小泉文明氏)
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A.PR施策を支えているのは「知的な変わり者」の社員なんです!
(ヤッホーブルーイング 代表取締役社長 井手直行氏)

小泉さん、お久しぶりです。先日はビールを飲みながらのトークイベント、楽しかったです。
ご指摘の通り、ヤッホーブルーイングはPR施策に力を入れてきました。小さな会社なので、なるべくお金をかけずに世間の認知を獲得しようという思いもありますが……。基本方針は「来た取材依頼にはすべて応えること」です。とはいえ何もネタがないと依頼も来ないと思いますので、「PRポイント」を意識してつくるようにしています。
「仕事の話はしない」朝礼
私は社長に就任した2008年から、「知的な変わり者」と呼んでいる社員一人ひとりの個性を大切にする社風づくりを進めてきました。その結果、商品そのものだけでなく「この企画は、こういうプロジェクトでこういう人たちがつくっているんだ」と会社自体に興味を持ってくれるメディアの方も多くなりました。
ヤッホーブルーイングは1996年に星野リゾートのグループ会社として設立され、1997年にクラフトビールとしては初の缶ビール「よなよなエール」を発売しました。当初は数々の賞を受賞し、地ビールブームにも乗って売れ行きは好調でしたが、2000年ごろから低迷期に突入。その後ネット販売で再び持ち直したものの、おおよそ半数の従業員が去ってしまったこともあり、社内の空気は重いままでした。
そんな中、前社長からバトンを受け継いだ私が、まず取り組んだのは笑顔が消えた職場を再び活性化させるためのチームビルディング。特に力を入れたのは、コミュニケーションの量と質を増やすための施策でした …