インターナルコミュニケーションを活性化させ、事業の成長を後押しする役割を担う社内報。今回はクレハのグループ報制作の裏側に迫ります。
クレハ
冊子『K plus』
ウェブ「クレMAP」

『K plus』表紙
「NEWクレラップ」をはじめとした化学製品を製造・販売するクレハは2017年10月、ウェブのグループ報「クレMAP」を立ち上げた。2018年1月には毎月発行していたクレハ単体の社内報を季刊に変更。グループ報『K plus』にリニューアルした。
「紙媒体では会社の経営スピードや変化に追いつけなくなり、このままでは社内報の役割を果たせなくなると考えました」と制作を担当する広報・IR部の安住未来氏は説明する。社内報からグループ報への移行も、事業をグループ内で連携して展開しているという現状に即し変更した。
紙とウェブという2つのメディアは役割を明確に分けている。『K plus』では会社の方針を伝え、グループ全体のチームワークの醸成とスピード感ある意思決定の後押しを目指す。一方、「クレMAP」は"つながる"をテーマに会社・同僚・商品などの情報を多様な切り口で掲載し、コミュニケーションが生まれる情報交流サイトと位置づけている。
クレハでは会社と従業員、従業員同士、商品と商品などがつながり交流することで学び、成長し、良いものが生まれると考えている。それをサポートする企画のひとつが、旧社内報時代から続く連載「集まれ!職場の仲間」だ。
これまで各部・拠点の業務内容とメンバー写真を紹介するコンテンツだったが、現在はウェブで従業員一人ひとりの素顔が分かるコメントを掲載するなど、誌面とウェブを連携させたコンテンツになっている。「個人的な情報はコミュニケーションを円滑にする要素になるので、ウェブ報でその役割を担っています」と安住氏は話す。
新しい媒体である「クレMAP」は従業員への浸透を狙った戦略的なコンテンツも展開している。アクセス数をコンスタントに維持するため、開設2カ月後にウェブグループ報の名称募集を告知した。グループ企業からの応募も含め57件の案が寄せられ、従業員投票を経て2月上旬に名称が決定した。ウェブ報への参画意識を持ってほしいという思いもあり企画された従業員投票は「クレMAP」のテーマである"つながる"を会社と従業員の間で体現したコンテンツでもあった。
今後、ウェブでは各部門・部署からの情報発信の充実に取り組む。「編集部からの働きかけには限界がある。自発的にアプローチしてもらう工夫が必要」と考え、部内では意見が交わされている …