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プレゼン力診断

東京タワーを背負う5代目社長のプレゼン「上品で控えめな振る舞いを個性に」

永井千佳(エグゼクティブ・スピーチ・コンサルタント)

経営者の「プレゼン力」を診断。声・表情・身振り・ファッションといった視点から毎号、分析します。

1月11日(木)
「東京タワー特別展望台リニューアル発表記者会見」
in東京タワーホール

3月3日にオープン 「トップデッキ」発表会
香りによる演出構想も

日本電波塔は1月11日、東京タワーの特別展望台からリニューアルとなる「トップデッキ」のグランドオープンを前に記者発表会を開催。事前予約制のツアー形式となる新アトラクション「トップデッキツアー」の概要や、調香師クリストフ・ラウダミエル氏による東京タワーオリジナルの香りの演出などが発表された。

日本電波塔 代表取締役 前田 伸

囲み取材で、前田伸社長は腰をかがめ身を乗り出し、丁寧に聞き届けようとしていた。質問をした女性記者の声が小さく聞き取りにくかったからだ。

「人数的な目標ですか?2020年までに50万人を達成したいと思います」。記者の目を見て身振り手振りを加え、柔らかい表情でしっかり答える。上品で控えめな立ち居振る舞い、気遣いを感じさせる話しぶりから育ちのよさが感じられる。

しかし直前のプレゼンでは、この強みが十分に活かされているとは言いがたかった。ひたすら台本を真面目に読み上げる。棒読みなので感情が伝わらない。リズム感が失われ、話の意味が十分に伝わらず、逆にミスも多い。質疑応答では、すべて用意された資料を読みながら回答。囲み取材で見た姿とは真逆だった。自分を抑えたプレゼンに、違和感があった。

日本電波塔は、前田社長の父・前田久吉氏が創業した会社だ。久吉氏は産経新聞を創業、一代で「大阪の新聞王」となり、参議院議員も務めたカリスマ創業者。その後に日本電波塔を設立し、テレビ各局の電波発信拠点となる東京タワーを完成させた。

しかし、3代目社長時代にゴルフ場開発に失敗。東京タワーは100億円分の担保に取られてしまった。その後、久吉氏の長男である4代目社長が敗戦処理。当時の前田社長はマザー牧場の経営を任されていたが2005年に4代目が急逝し、5代目に就任して現在に至る。

右肩上がりだった環境は、右肩下がりに一変。2012年に東京スカイツリーが開業し、デジタル放送一本化とともに東京タワーは東京スカイツリーの予備電波塔になった。現在の主な収入は観光だ …

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