ローカルで人気のテレビ番組や地元情報をきめ細かく伝える新聞・雑誌の編集方針や人気の秘密、つくり手の考え方を紹介します。
『北海道新聞』(北海道新聞社) | |
---|---|
|
|
創刊 | 1942年 |
配布エリア | 離島を含む北海道全域 |
発行部数 | 100万9050部 (2017年12月 日本ABC協会報告部数) |
人気の連載
「拓銀破綻20年」
北海道拓殖銀行の破綻から20年。あの時何が起きていたのか。逮捕後、沈黙を守ってきた最後の頭取・河谷禎昌さんのインタビュー連載。拓殖銀行の関係者や北海道の経済界からも大きな反響がある。
「子どもを守ろう」
子どもたちを性犯罪、暴力、虐待から守るキャンペーンと、家庭内暴力、SNSに関連した性犯罪など、子どもたちの「いま」に迫り、「未来」を守る道筋を考える連載。特に学校の先生や親からの反響が大きい。
『北海道新聞』は朝刊発行部数100万部を超える北海道トップシェアのブロック紙。1942年の新聞統制によって、道内11紙が統合される形で誕生した。2017年には源流である『北海新聞』発行から130周年、『北海道新聞』創刊から75周年を迎えた。常に道民の視点に立ち、道民のためになるニュースを発信しようとする姿勢が愛され、北海道の人々から「道新(どうしん)」の愛称で親しまれている。
紙面づくりは現場から
「北海道内で起きていることはうちが一番詳しい」。そう胸を張る田辺靖・取締役編集局長の言葉を裏付けるのは、道内8つの支社と、39の総局・支局からなるネットワークだ。「紙面づくりは現場から始まります。記者には、とにかく現場へ行き、しつこく取材をして自分の目と耳で事実をえぐりだせと言っています。それが正確な記事を書く基本だからです」。
各拠点では、全道版の取材のほか、地方版の制作も行っているため、札幌圏、帯広十勝、北見オホーツクなど72もの地域面が揃い、道内のニュースを隅々まで逃さず掲載している。道内では全国紙の支局が廃止になったり規模を縮小したりする地域も出ている。「そういう意味でもますます道新への期待が高まっています。"うちが書かずに誰が書く"と、全拠点とも気合を入れて取材をしています」。
だが、ただ地元密着の話題に徹しているわけではない。「社会の歪みや政治経済の歪みは地方にこそ出てくるものです。地方から日本や世界を見ることはとても重要だと考えています」。
地方から日本の歪みを発信
例えば2017年10月28日にスタートした連載「拓銀破綻20年」。1997年の北海道拓殖銀行(拓銀)の破綻から20年の節目の年に、これまで沈黙を守ってきた同銀行最後の頭取・河谷禎昌氏のインタビューに成功した。取材は、元拓銀行員の記者を中心としたチームで担当 …