インターナルコミュニケーションを活性化させ、事業の成長を後押しする役割を担う社内報。今回はりそなホールディングスのグループ報制作の裏側に迫ります。
りそなホールディングス『Resona』
東京・大阪・埼玉を中心にりそな銀行、埼玉りそな銀行、近畿大阪銀行を展開する金融サービスグループのりそなホールディングス。経営方針の周知やグループの一体感強化、創造性を大事にする社風の構築などを目的にグループ報『Resona』を発行している。従業員自らが気づき、考え、行動することが企業価値をつくるとし、グループ報もそのきっかけになるよう編集している。
「会社の方針や施策は自分ごとにならないと従業員はなかなか行動に移せません。気持ちが伴うようなプロセスが必要と考えています」とグループ報を制作するコーポレートコミュニケーション部広報グループリーダーの北東宏規氏は説明する。
2016年夏号では、消費者、顧客、マスコミ、アナリストなどを対象にグループ報が独自アンケートを実施、その評価を「通知表」にして誌面で発表した。背景には、消費者や従業員に自社の良さが伝わっていないという課題があり、それを解決するためのプロジェクトの発足があった。「通知表という形をとることで興味を持って読んでもらえますし、何より世の中の評価は従業員のモチベーション向上や行動につながります」と北東氏。
支店と顧客との間で生まれた心あたたまるエピソードを小説風につづった「りそなSTANDARD劇場」は、経営理念を浸透させ行動に転換していくヒントになっている連載だ。現場で生まれたお客さまとの事例を臨場感あふれるストーリーで紹介した上で、そのエピソードはどの経営理念を行動化したものに該当するのかを記している。経営理念が文字ではなく日々、自分たちの行動の中にあることを実例を通して気づかせるコンテンツとなっている。
『Resona』は大きさにも特徴があり、ハンディサイズのA5版とした。従業員の家族にも会社の動きや雰囲気を知ってほしい、また従業員が家でもゆっくり読めるようにとポケットやバッグに入れやすいサイズにしている。特に男性従業員は、昔から顧客情報を持ち出し紛失することがないよう通勤時にカバンを持たない習慣がある。そのため必然的にハンディサイズになったという …