業界ごとに存在する数多くの専門メディア。広報担当者にとっては、メディア対応の登龍門となることも多いでしょう。その編集方針やヒット企画、注力テーマを聞き、関係構築のヒントを探ります。
『CAFERES』編集部DATA | |
---|---|
|
カフェオーナーやコーヒー技術者、カフェ開業希望者に役立つ実用情報を発信する『CAFERES』は2017年6月、誌面をリニューアル。誌名も『Cafe&Restaurant』から改題し、スペシャルティコーヒーの普及などで注目度の高いカフェ向けの専門誌とした。
誌面には経営に役立つ情報はもちろん、オーナーの生き方に触れつつ各店を紹介する企画もある。2017年9月号の特集「自分サイズのカフェを開く」では長年の人気店や、会社員が脱サラして開業した店舗、リタイア後に夫婦でオープンしたカフェなどの例が登場する。
例えば多数のスタッフとともに15年以上店を続けたある女性経営者は50歳を超え、体力的にもきつくなりSNSで閉店告知を出した。するとかつての客が多数来店。ファンの多さに改めて気づき、一人で店を再開したという経緯が綴られている。
未経験から開業した例も、自分の店を持ちたいと願う読者の背中を押すエピソードのひとつ。航空自衛隊を定年退職後、カフェスクールの独立開業コースを受講後に夫婦で開業にこぎつけたというオーナーも登場する。
同誌編集長の前田和彦氏は「長く続く繁盛店をサポートするのが当誌の姿勢。新しさだけでなく、じっくりと店舗の姿勢を事前取材してから紹介します」と取材先を選ぶ理由を語る。
また、製品情報を扱う機会も多い。2017年12月号の特集「ブリューコーヒー最新の抽出器具とおいしい淹れ方」では、人気店がおすすめする淹れ方やその使用アイテムを扱う。コーヒーメーカーやドリッパー、サイフォン、ケトルなど各社製品も取り上げる。
ところが「コーヒーおよびカフェ業界は、他業界に比べると新店舗や商品情報の発信が少ない。もっと積極的に情報を届けてほしい」と前田氏は指摘する。同誌には「東京カフェ最新ニュース」「オープンしました!」といった連載もあり、情報は常時求めている …