経営者の「プレゼン力」を診断。声・表情・身振り・ファッションといった視点から毎号、分析します。
出澤剛社長が舞台に姿を現したとき、4年前とは違う柔らかさを感じた。
2014年10月の記者発表を取材した際、「何かが起こっている」と感じた。当時の社長である森川亮氏が終始硬い表情で口元を結ぶ横で、副社長兼COOだった出澤氏がほとんどの質問に答えた。論理的な話しぶりだが、表情はこわばり余裕は感じられない。居並ぶ役員からも緊張感と疲労感が伝わってきた。
当時は注目の急成長企業として何度も株式上場が噂されつつ見送られていた。会見の2カ月半後、森川氏が退任し出澤氏が社長に就任。株式上場を果たしたのは2年後の2016年7月だった。
自由だがともすると規律を失いがちな非上場ベンチャー企業を、社会的責任を持つ上場企業へと脱皮させた自信から、柔らかさが自然と醸し出されるのだろう …
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