日本全国で「自治体PR戦国時代」を迎えている現在。広報の基本と戦略に活かすヒントをこの分野の専門家がお届けします。
今回のポイント
(1)メディアが取材しやすい日時や場所を設定
(2)案内状は報道価値と「5W1H」を明確に
(3)注力プロジェクトはイベント実施費用を確保
前回に引き続き、メディアにPRイベントへ取材に来てもらうためのコツについてご紹介します。
多くのメディアに取材してもらうためには、日時や場所の設定も重要なポイントです。基本的にプレス向けイベントは、メディアが「なぜこのタイミングで取材をするべきなのか」が分かりやすい日に行うと効果的です。例えば、告知したい内容の開始直前(前日~1週間程度前)、もしくは内容に合わせた記念日(例:デニムの日、みかんの日)などです。
日程を決める上では、曜日選びも大切です。翌日の放送枠が少ない、またそもそもメディアの稼働が少ないという理由で、金曜~日曜のプレス向けイベント実施は避ける傾向にあります。ただし、週末イベントの集客のために、プレスへの発表機会を金曜日に設けることもあります。月曜日も、一般的にはおすすめではないと言われます。これは、日曜日には、メディアからのイベント直前の問い合わせ対応が難しいことが最大の理由です。
曜日だけでなく、大きな行事がある日(例:成人の日、七夕まつりなど)も、メディアは季節ネタの取材に行ってしまうことが多いため、行事に関連する内容でなければ、イベント実施は控えるとよいでしょう。
さらに、東京でプレス向けイベントを開催する際は、特に11月11日など、記念日が多く集中している日は競合を減らすためにも避けた方が望ましいです。月初日や月末日(特に4月1日、9月1日、3月31日)もできるだけ外しましょう。
時間に関しては、遅くとも午後早めの14時ごろまでに行うことで、イベント当日の夕方~翌朝のテレビ番組、翌朝の新聞での紹介が期待できます。また、イベントは長くても1時間程度とし、忙しいメディアを長々と拘束しないようにしましょう。
会場は、メデイアができるだけ来やすい場所を選ぶのが鉄則です。東京であれば、テレビ局、新聞社、通信社などメディアのオフィスが多い港区、千代田区、中央区、渋谷区などで、かつ駅近である場所がベストです。条件を満たしていれば、アンテナショップや東京事務所のイベントスペースなどでも構いません。
地元で実施する場合も同様で、条件が揃えば、県庁、市役所などのスペースでも大丈夫です。その際、ステージからスチールカメラの撮影エリアまでの距離を4~5メートルは確保でき、テレビ撮影用のムービー台を記者席後方に設置できるスペースを取れるかどうかは、忘れずに確認しましょう …