社史や理念、事業の意義を見直す機会となる周年をどのように迎えるか。長寿企業から学ぶ連載です。

本社の社員を対象にワークショップを実施。ブランドやデザインについての理解を深めた。
インテリアショップを展開するFrancfrancは、2017年にブランド創立25周年を迎えた。1990年に「バルス」という社名で設立した同社だが、ブランド25周年を機に社名も「Francfranc」に変更。社名とブランド名を統一した。
25周年プロジェクトのチームは商品本部、販売本部など部署横断で年次を問わない18人の社員で構成されており、責任者は髙島郁夫社長が自ら務めている。
ブランドへの共通認識を持つ
同社ではこれまで、テレビCMの展開や記念マグカップの販売(10周年)、インテリアをテーマとした映画の制作(15周年)、インテリア雑誌の刊行(20周年)など、社外に向けた周年プロモーションに積極的に取り組んできた。今回の25周年プロジェクトは「Brand Identity Project(ブランド・アイデンティティ・プロジェクト)」と称し、ブランドの原点を見つめ直すインターナルコミュニケーションを主軸とした。
インターナルコミュニケーションというと社員のモチベーション向上などを目的に取り組む企業が多い中、Francfrancでは「社員一人ひとりがブランドの意義を理解し、お客さまによりよいサービスを提供すること」をゴールに設定した。
マーケティングコミュニケーション部の井上雅代氏は、「25周年という事実よりも、これからFrancfrancがどのようなブランドを目指し、何を提供していくのかを伝えることに意味がある。それをお客さまに直接伝えるのは店舗のスタッフであることから、インターナルコミュニケーションに注力した」と話す。
そこで特に注力して取り組んだのが、ロゴを含めたブランド・アイデンティティの再構築だ。「100年愛されるブランド」を目指し、ロゴマークのデザインなどを見直して細かな修正を加えた。
また、近年ではスマートフォンなどの普及にともない、様々な端末でサイトを見ることから視認性を高める必要があるため、正方形のボックスタイプのロゴを制作。ブランドカラーの解釈やロゴの使用規定などについても触れ、「ブランド・デザイン ガイドライン」としてコーポレートサイトで公開している …