経営者の「プレゼン力」を診断。声・表情・身振り・ファッションといった視点から毎号、分析します。
会場全体が、水を打ったように静まりかえった。舞台中央には、真っ赤なドレスシャツにベストを着た男性の姿。よく見るとそれは、先ほどまでビジネススーツ姿でメガネをかけ、淡々と会社紹介をしていた津村佳宏社長だった。
ここからが津村社長の真骨頂。聴き手に一礼後、舞台上の紙に向かって豪快に筆を走らせ、「美しい風の神」の意味を込めたという「美風神」と書き上げると、書に向かい拍手を打つ音が鳴り響いた。
目玉は、津村社長自ら新商品のドライヤーを使ったスタイリングショーだ。映画『プリティ・ウーマン』のテーマにのり、商品解説も交えながら華麗な手さばきを見せる。曲が終わるタイミングでモデルの髪を手で美しく舞い上がらせ、両腕をダンスのフィニッシュのように跳ね上げる決めポーズ。「ここまでやるか」というほどの演出だ。実は津村社長は、社内技術コンテストで優勝経験がある凄腕の理美容師なのだ ...
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