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万博と統合型リゾート(IR)の誘致で、大阪を世界有数のイノベーション拠点へ

松井一郎・大阪府知事

"副首都・大阪"の構想を掲げる松井一郎大阪府知事。大阪の発展を加速させるインパクトとなる万博と統合型リゾート(IR)の誘致や、イノベーションの創出などにより、東京オリンピック・パラリンピック以降の日本の牽引を目指す。

万博の会場イメージ。大阪市の人工島「夢洲」の約155ヘクタールを予定している。
出典:経済産業省

日本では「東京一極集中」が進み、政治・行政の面において中央集権体制が続いています。災害のリスク面だけをとっても、この「東京一極集中」はわが国の危機管理として望ましくありません。日本は地震列島ですから、首都直下型地震が現実となって東京が大打撃を被り、機能を停止した時に経済が成り立たないというのでは国として脆弱です。

日本の安定的な成長維持を支える、国際競争力をもつ二極の拠点都市を確立すべきです。そういう意味においても、東西二極の一極を担う日本の成長エンジンとして、"副首都・大阪"の存在は重要で、我々が果たすべき役割だと考えています。

大阪は「民」の力が強い土地柄で、自由闊達な発想から新しいビジネスを育んできました。さらに、大阪にはつくれないものがないといわれるほど、技術力がある中小企業が東大阪、八尾などを中心に集積しています。1つの部品を作るにも様々な技術力、職人技をつなげることで良い製品ができあがります。そういう技術水準が高い大阪の職人に、大阪が最も注力するライフサイエンス・バイオテクノロジー分野での画期的な新製品を、どんどん生み出していってもらいたい。

そして、世界が注目する産業、文化、サイエンスの拠点として花開き、海外の企業や人材を惹きつけるブランド力を身につけ、健康・長寿分野のみならず、世界的な課題解決に寄与する最先端都市として、グローバルな都市間競争にも打ち勝っていけるような存在感を発揮していきたいと考えています。

万博とIR誘致をインパクトに

"副首都・大阪"の発展を加速させるインパクトとして、大阪府では2つの大きな取り組みを計画しています。まず、2025年日本万国博覧会の誘致を目指しています。これは、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会後のわが国の成長のインパクトであり、大阪の発展を加速させるための大変重要なプロジェクトになります。

大阪には、製薬企業をはじめとするライフサイエンス分野に強い企業や100年以上続く中小の紡績・製造業も数多く存在します。今後は万博を契機に、健康をキーワードとした大阪発信の先端的ものづくりをアピールし、そこでリサーチした結果をもとに、海外市場ニーズに合致した製品づくりを行っていきたいと考えています。

日本経団連会長の榊原定征氏が会長を務める2025日本万国博覧会誘致委員会では、2025年の大阪・関西での国際博覧会実現に向け、オールジャパン体制で誘致活動を行っております。今年6月には誘致ロゴマークを決めました。誘致委員のアンバサダーや特使である、吉本興業に所属するダウンタウンさんや世界的ファッションデザイナーのコシノジュンコさんなど知名度の高い方にもお手伝いいただき、東京・大阪から海外へも情報発信していきます。

もうひとつのインパクトは、国際的なエンターテインメント機能を備えた統合型リゾート(IR)の誘致を含む国際観光拠点の形成です。大阪の役割としては年々増加する訪日外国人旅行者を国内各地へつなぐ、観光ハブとしての機能を高めるとともに、MICE機能と、エンターテインメントに特化した統合型リゾート(IR)の誘致により、世界に誇れる都市空間を創造してまいります。

2025日本万国博覧会誘致委員会では、2025年の大阪・関西での国際博覧会実現に向け、誘致ロゴマークを活用しPRしている。

今年3月に開かれた、万博誘致委員会発足式。

「お役所仕事」は禁止

大阪は、今、大きく生まれ変わろうとしています。これは橋下徹・前大阪市長とタッグを組み、府市一体で新たな大都市制度の実現を目指して、成長や安全・安心に関する施策を推進してきたからです。

これまで大阪府市の体制がバラバラで手をつけられなかった高速道路など成長インフラの整備を進め、エンターテインメントを中心にした観光事業と、再生医療を含めた健康産業を大きな産業の柱にし、取り組みを進めていきます。これは、新たな大都市制度を先取りしたものです。府市がひとつになることで、単体で行えなかった政策に取り組むことができ、世界規模のイノベーションが実現可能になるのは明らかなことです。

お役所仕事というのは前例踏襲なので、失敗はしませんが、挑戦もしません。それが役所文化というものです。大阪府庁と大阪市役所は一般的な役所とは違います。私と大阪市長の合言葉は、「お役所仕事は禁止だよ」。とことんリスクのある挑戦を、情熱をもって行ってきました。

挑戦し、成功した実績の一つに、国特別史跡「大坂城跡」の西の丸庭園でオートバイのモトクロス競技の世界大会「レッドブル・エックスファイターズ大阪」を行ったことがあります。天守閣をバックに世界各国のトップ選手がコースに設けたジャンプ台から次々に空中に飛び出し、オートバイから手を離し、体を回転させるなど技の華麗さを競い合い、それらが世界各地へ大々的にネット配信されました。

当時は大阪の文化財である地下遺構に与える影響が懸念されたのですが、大阪市教育委員会の地盤調査で問題がないと判断しました。決行すると、1万人の入場客だけでなく、SNSを通じて全世界の人々に大阪城の天守閣のビジュアルが映し出され、「OSAKA」の名前が拡散されました。

リスクを畏(おそ)れず、果敢に挑戦することが大切です。この考えのもと、民間のダイナミズムを中心に置いた社会づくりを行政が後押しするとともに、グローバル視点にたって、日本経済を牽引していきます。

大阪府 松井一郎(まつい・いちろう)知事
1964年生まれ。1986年福岡工業大学工学部電気工学科卒業。2003年、大阪府議会議員(3期連続当選)。2011年11月、大阪府知事に就任。

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