新聞記者、PR会社を経て活動する岡本純子氏によるグローバルトレンドのレポート。PRの現場で起きているパラダイムシフトを解説していきます。
「アメリカの多くの企業が導入しているのに、日本の企業にはまだあまり浸透していないPRの手法はな~んだ?」と聞かれたら、皆さんはなんとお答えになるだろう。ソーシャルメディアの活用やコンテンツマーケティングなど、日本でも少しずつ新しい分野のPRに挑戦する企業が増えている中で、日本ではそれほど見かけないな、と筆者が感じているもの。それが「オンライン・ニューズルーム」である。
プレスルーム、メディアルームなどと呼ばれることもあるが、メディアが求める情報すべてを網羅した、企業のウェブページのことだ。通常、企業サイトの中に設置されることが多く、「会社名」と「newsroom」で検索するとすぐに見つかる。
日本では、こうしたサイトを設けているところはそれほど多くはない。ほとんどの企業がプレスリリースというタブを設け、リリースを読んだり、検索したりできる程度だ。それに比べて、オンライン・ニューズルームはそれ自体が、コーポレートサイトのトップ画面かというほどの情報量だ。特長はとてもビジュアライズされていること。どんなリリース、ニュースにも文字ばかりという印象の日本企業のリリースサイトとはまったく異なる趣だ。
企業のデジタルPR支援を手がけるアメリカのTEKグループがメディアに対して行った調査によると、95%の人が「オンライン・ニューズルームは重要」と答え、30%が「毎日チェックする」、50%が「週に1回以上はチェックする」と回答した ...