様々な領域で活躍中の広報パーソンに、転機となったエピソードや仕事における信条、若手へのメッセージなどを伺います。
国内外に800社超、約30万人の従業員を抱える日立グループのブランドコミュニケーションを担う平野泰男氏に、仕事の面白さや信条について伺いました。
事業部門からブランド担当へ
──ブランド戦略とはどんな仕事ですか。
簡潔に言うと、ブランドコミュニケーションを通じて日立グループの企業価値を高める仕事です。グローバル化の一環で海外企業のM&Aを進める中で、異なる歴史や価値観を持つ会社が新たに日立グループに加わっています。グループが一体となって成長していくためには、こうした企業の従業員も日立の理念やビジョンをよく理解し、行動に落とし込んでいくことが重要です。また、日立ブランドの使い方を、グローバルに適切に管理することも大切です。
2013年からグループブランド戦略に携わっていますが、それまでの5年間は事業部で、英国での高速鉄道事業の立ち上げに奔走していました。当時は「ブランドで受注できるわけではない」と冷めた見方もしていたのですが、異動してからその重要性を徐々に実感するようになりました。事業とブランドは車の両輪です。強い事業あっての強いブランドですが、一方で、ブランドコミュニケーションで企業の変革をリードできればとも考えています。
──最近の取り組みを教えてください。
日立グループ・アイデンティティをテーマにしたムービー「I am Hitachi」を作成しました。このアイデンティティを体現した活動を表彰する「社長ブランド表彰」のグランプリ受賞者から世界各地域の6人を選び、彼ら、彼女らの仕事とメッセージを通して日立人としてあるべき姿を伝えるものです。国内グループだけでなく海外からも好評で、YouTubeでも公開しています。
企画段階では海外スタッフからも様々な意見が出され、世界一周撮影ツアーを行ったため、撮影スケジュールの調整にも苦労がありました。アイデアを通すためには各種調整が必要ですし、国内外のスタッフに協力を仰がなければなりません ...