ウェブニュースやSNSは、その反響を可視化しやすい点が強みとなる。編集部調査では35.4%が「デジタル上の広報効果測定を重視」との回答を得た。便利な計測ツールなども増えており、次なる戦略への活かし方が課題となっている。
ウェブメディアの記事掲載や口コミ数も広報効果を測る上で無視できない指標となっている。編集部の調査では、ウェブ上の効果測定について「大変重視している」「重視している」と答えたのは35.4%だった。
日々の広報活動の効率化につながる有料のツールも増えてきた。クリッピング大手のエレクトロニック・ライブラリーでは10月から、ウェブ上に掲載された記事の一覧を毎朝届けるサービスを開始。以前から提供していた新聞・雑誌のクリッピングと組み合わせて、複合的に記事露出の状況を確認できるようになった。
TwitterやFacebook、Instagramなどの口コミ数やエンゲージメント率を計測する有料ツールも多数登場しているが、「無料ツールとの違いや活用方法が分からない」という声もある。編集部調査の結果では有料ツールを導入している割合は15.0%だった。
米国に本社を置き、モニタリングやソーシャルメディア分析のツールを提供しているメルトウォーター・ジャパンの山崎伊代氏によると、「単なる口コミの件数だけでなく、一歩踏み込んだ論調分析や影響力のある発言主をリアルタイムで特定することが可能。PDCAに組み込めば、重点を置くべき広報活動の項目やターゲットが見えてきます」と話す。
例えば、SNS上で通常よりもリーチ数が多かった投稿を検証する場合。話題の拡散に寄与した発言主をフォロワー数順でリストアップし、影響力の高い著名人や個人、母集団などの傾向を特定できる。これにより、その後の投稿内容や次に掲載を狙うメディアなどを定めることにもつながるというわけだ。Instagramも同様で、投稿内容から実際の行動や消費につながりやすい写真の傾向を割り出すこともできる ...