野村総合研究所は2016年11月から今年6月にかけて、東京・横浜・大阪の大型拠点を移転。BCP(事業継続計画)強化とともに、働き方にも変革をもたらす契機となるオフィスに一新した。共通のコンセプトを持つ3つの拠点のうち、今回は横浜総合センターを訪れた。
今回の野村総合研究所の一連のオフィス移転は、2011年に発生した東日本大震災が契機となっている。災害時の電力の確保といったBCP(事業継続計画)強化に主眼を置いて、新オフィスの検討を重ねてきた。
2016年には長期経営ビジョン「Vision2022」を発表。その実現に向けて「働き方見直し」「風土改革」のきっかけとなるオフィス空間にしようと東京本社、横浜総合センター、大阪総合センターの移転計画が立てられた。「いずれのオフィスもベースとなるデザインやコンセプトは共通しています」と話すのは常務執行役員の横山賢次氏だ。
フリーアドレス型レイアウトの採用や壁のない執務スペースなど、「風通しがよくオープンな仕事環境」はもちろん、多様な執務デスクやひとりで集中したい作業や電話をかけるためのブースの設置など「ワークスタイルの多様性」も尊重。オフィス内は完全禁煙で、同じビル内に企業内保育所を新設している。さらに「社内コミュニケーションの強化」も重視し、多目的に使えるカフェテリアや気軽にミーティングできるスペースも設置した。
3つのオフィスの中でも最大規模となる横浜オフィスの特徴は企業内保育所と、充実したカフェテリア。カフェテリアでは、昼食だけでなく朝食や夕食も摂ることができると同時に、プロジェクターや音響設備なども備え、社内でイベントやセミナーを開催できる。
12~16階の階段でつながる共用部にはフロアごとに別々のテーマを持った「ステアラウンジ」と呼ばれるフリースペースを設けるなど、新オフィスのコンセプトを象徴する設備が整った。横浜オフィスに在籍する社員数は現在約3500人だが、将来的には4500人までの収容が可能となる ...