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地域メディアの現場から

熱狂的ファンが支える長寿番組『探偵!ナイトスクープ』

朝日放送『探偵!ナイトスクープ』

ローカルで人気のテレビ番組や地元情報をきめ細かく伝える新聞・雑誌の編集方針や人気の秘密、つくり手の考え方を紹介します。

    朝日放送『探偵!ナイトスクープ』
    放送時間 毎週金 23:17~0:12(関西地区)
    放送開始 1988年
    放送エリア 関西地区を中心に全国
    出演者 西田敏行(局長)、松尾依里佳(秘書)、間寛平、たむらけんじ、竹山隆範、田村裕、真栄田賢、澤部佑、橋本直ほか
    制作体制 月曜日に企画会議を行い、毎週約900通にも上る依頼からオンエアする3本を選ぶ。基本的に探偵が調査にあたる日数は1日だが、依頼の内容によっては数日かけることもある。依頼者である素人ならではの面白さを引き出すため、台本はない。
    制作スタッフ人数 40人

    話題になった「調査」

    「マネキンと結婚したい」(1997年1月)
    マネキンに恋をしてしまった女性の物語。廃棄直前、マネキン置き場から彼(!)を探し出す姿に大反響

    「フタが取れない」(2016年5月)
    ナイトスクープ大好きと公言するダウンタウン松本人志からの依頼。本番まで、依頼者が松本だと知らなかった澤部佑探偵はパニックに

    「ナイトスクープ愛にあふれたドイツ人カップルを捜して!」(2017年6月)
    ドイツからアポなしで朝日放送にやって来た番組ファンのカップル。視聴者の声に押され、後日番組が捜し当て「ナイトスクープ流」のおもてなし

関西の人々が「この番組を観ないと週末が始まらない」と口を揃える『探偵!ナイトスクープ』。朝日放送(ABCテレビ)が毎週金曜日の深夜に放映する長寿人気番組だ。

素人の面白さを前面に出す

視聴者投稿による調査依頼が寄せられ、それについてお笑い芸人らによる「探偵」が依頼者と一緒に調べレポートする、というもの。調査は毎回3つ。探偵事務所(探偵局)に見立てたスタジオで、その様子を局長の西田敏行はじめ、秘書の松尾依里佳、顧問と呼ばれるゲスト、探偵らと一般公募で集まった300人の観覧者が一緒に観るという視聴者参加型の番組だ。

『ナイトスクープ』は1988年に放送開始した。視聴者層は子どもからお年寄りまで幅広い。96年にディレクターとして番組に関わり、現在はプロデューサーを務める奈良井正巳氏は「子どももよく観てくれている。新しいファンは常に増えていると思います」と話す。

ディレクターとして番組に関わっていた96年~2000年当時は、視聴率30%超えは当たり前。20%台でも「今回はいまひとつ」と言われるほどで、99年5月には32.2%の最高記録を叩き出した(関西地区)。「テレビ離れといわれる今でも、関西地区の視聴率は15%をほぼキープ、占拠率は40%近い」(奈良井氏)という。全国のローカル局でも数多く放送されている。

『ナイトスクープ』の肝はユニークな視聴者からの依頼だ。その数、1週間で約900件にも上るという。毎週月曜日に行う企画会議では、それをすべてコピーして、スタッフ全員で目を通して3本のネタを選び出す。900件もあるのだから3本ぐらい楽に選べるのではと思うが、「これがなかなか難しい」と奈良井氏。

「採用する上で最も重要なポイントは、依頼者の思い入れや本気度が強いことです。私たちに『何とか実現してあげたい』と思わせるような、情熱が伝わることが大事。この番組でなければできないようなネタかどうかも重要です」。インターネットで答えが見つかるようなネタや、他の番組で見たことがあるようなネタは採用しない ...

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