経営者の「プレゼン力」を診断。声・表情・身振り・ファッションといった視点から毎号、分析します。
「私はホラ吹き。ホラは2~3年すると夢に変わり、現実になると思っている。中国で1000億円は十分可能だ。ついでにホラを吹くと、究極の販売地域は北米」。
プレゼンで「フルグラを1000億円売る」と語った松本会長。しかし、今夏稼働する北海道工場の生産額は40億円、来年夏稼働予定の京都工場でも150億円。「目標と現実の生産量の乖離は?」という質問に、飄々と冒頭のように答えた。
後日、各社の記事を確認すると、「ホラ」の部分はカットされ「1000億円目標」という見出しばかりだ。会見では「オフレコ」「ホラ」と断っても、そのまま事実として報道される。そしてニュースバリューが大きければ、メディアは取り上げる。実は確信犯なのだ。
配布資料には「Just do it! やってみなはれ!! カルビー松本」という手書き色紙を持つ松本会長の写真。このメッセージは、ナイキとサントリーの理念を組み合わせたものだ。
プレゼンと質疑応答でも、"松本節"が炸裂した。「中国でフルグラに勝てるライバル商品はひとつもない」「ポテトチップスはかさばる。運んでいたらキリない。ほとんど運賃」といった大胆な発言も、はんなりとした京都弁がクッションになり、すんなり受け容れられてしまう ...
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