ローカルで人気のテレビ番組や地元情報をきめ細かく伝える新聞・雑誌の編集方針や人気の秘密、つくり手の考え方を紹介します。
『北日本新聞』 (北日本新聞社) | |
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創刊 | 1884年 |
配布エリア | 富山県全域 |
発行部数 | 232,492部 ※日本ABC協会調べ(2016年1~6月平均) |
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『北日本新聞』は、全国紙・地方紙の競争が激しい富山県内で6割のトップシェアを誇る県紙。同県の10市4町1村を発行エリアとしている。富山市の本社をはじめ、県内に3支社、3総局、20支局を持ち、東京、大阪など県外に3支社を構える。編集・紙面制作にかかわるのは約130人。地域に密着したきめ細かな取材で、日々ニュースや読み物を提供している。
「戦災時も発行継続」が誇り
創刊から今年で134年目。1945(昭和20)年の富山大空襲時は社員たちが機転を利かせ、輪転機を速やかに疎開させたことで戦災中も発行を継続することができたという。「戦時下無休刊という実績は、現在も社員一同の精神的な支えとなっています」と編集局次長兼報道本部長の室尚志氏は話す。
8年前には夕刊を休止。これに合わせて、購読者が利用できる会員制のウェブ新聞「webun(ウェブン)」をスタートさせた。リアルタイムでニュースを更新することで、夕刊機能をネットで補い、さらなる充実を目指す。高校野球の県内予選時には、イニングが進むたびに戦況が更新されるコーナーが人気だという。
「富山はとてもコンパクトな県で、中心部からどこへでも車で約1時間あれば行ける。それぞれの地域に総局や支局を配置しているため、隅々まで丁寧に取材ができている」。日ごろから各支社、総局、支局の記者たちは、それぞれのアンテナを張り巡らせながら県内のさまざまな場所へと足を運ぶ。地域の人々との良好な関係を築いていくことこそが、同紙の基本姿勢だと室氏は話す。
地元のニュースは積極的にトップ記事として大きく扱うことも同紙の特徴のひとつだ。昨年から今年にかけ、県議会や富山、高岡市議会議員による政務活動費不正問題などを通じて地方自治のあり方を考える報道を続け、今年の日本ジャーナリスト会議(JCJ)賞を受賞した。
「ニュースが身近であればあるほど、住民にとって大切なニュース。身近なこと・ものを扱うことで、地域の信頼につながっていく」と室氏。小中学校の教育現場から富山の各プロスポーツチームの動向まで、幅広い読者層のニーズを捉えながら記者自らがしっかりと価値判断し構成する「地域密着型」の紙面を心がけている ...