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社内報のつくり方

全員参加型で世界の従業員と職場をつなぐ 豊田合成の社内報制作

豊田合成

インターナルコミュニケーションを活性化させ、事業の成長を後押しする役割を担う社内報。今回は、愛知県清須市に本社を置く豊田合成の社内報制作の裏側に迫ります。

豊田合成
『TG TIMES』

トヨタグループのゴム・樹脂・LEDの専門メーカーである豊田合成では2種類の社内報を発行している。1957年から発行を続けている『TG TIMES』と、社内ニュースを中心に構成した2014年創刊の『TG NEWS』(タブロイド判)だ。「海外に事業拠点が増え、国内外の出来事を各地の従業員に向けてスピーディーに発信することを目的に『TG NEWS』を新たに立ち上げました」と広報室室長の半田信吾氏は説明する。

現在、同社では北米やアジアを中心に96の活動拠点を構え、グローバル化が進んでいる。事業の主戦場が海外にシフトする中で、社内報は社内の一体感を醸成する役割も担う。広報室では海外向けの情報発信強化のために2007年から2008年にかけて社内報の専任スタッフを増員。海外特集の記事制作の際には現地取材を行うなど、現地でしか知りえない情報を届けることにこだわる。

広報室企業広報グループの知久研索氏によると、海外拠点向けには英語版の社内報も毎月発行するほか、2016年からは北米や中国などの統括拠点で、現地の従業員が地域社内報も制作しているという。「意欲的に社内報づくりに取り組む彼らをサポートするために、写真の撮り方や文章作成のポイントなど制作のノウハウを伝えています」と語る。

事業のグローバル化に対応した社内報の分冊化には、社員から様々な意見が寄せられた。その声に応えるべく、新コーナーを立ち上げたり、登場人数を増やしたりするなど改善を重ねてきた。2016年には『TG NEWS』のページ数と連載企画数を増やし、リニューアルを実施している。

「『TG NEWS』は親しみやすい誌面づくりもポイント。役員のプライベートに焦点を当てたり、ベテラン従業員を紹介して働く誇りを醸成したりと工夫しました。他部署で生産している製品の理解を深めることができた、という意見も多く寄せられています」と話すのは、同グループの森永直子氏だ。

社内報は企業方針や各職場の情報の共有だけでなく、会社の活性化にも一役買っているという。社内報のグループ会社紹介というと単調な構成や内容になりがちだが、「攻めの姿勢」は忘れない。

「ときには厳しいメッセージや提言を含む記事も必要と考えています。日本から世界中にいる従業員にメッセージを送り、物理的な距離を問わず自社の情報を得ることができ、しかも興味をもって最後まで読んでもらえる。そんな社内報をつくっていきたい」とチームリーダーの浅倉正二郎氏は言う。現在、将来的な目標として「96の活動拠点の社内報発行」を掲げている ...

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