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匿名記者が明かす残念な広報対応

その写真、使えません!カルチャー誌編集者が訴える「広報用画像」の重要性

記者と広報は、なぜすれ違う?第一線で活躍するメディアの記者に本音で語ってもらいました。

編集者 Nさん(女性)

出版社で二十年近くカルチャー誌の編集に携わったのち、数年前に独立。現在は雑誌から書籍、ウェブ媒体まで幅広く手がける。年に数回、ヨーロッパを中心に海外へ取材に行く機会も。最近ハマっているのは、週末の銭湯めぐり。いつか本場フィンランドのサウナを体験したく、取材に行ける機会をうかがっている。

私の日々の主な仕事は、「ものづくり」に携わる方々に話を聞きにいくことだ。それゆえ、一般の企業(事業会社)はもちろん、個人事務所やデザイン会社との付き合いも多い。

こうした会社には広報担当者がいる場合もあれば、いない場合もある。印象としては、トップが情報発信の重要性や、メディアへの露出を戦略的に捉えている会社ほど専任の担当者を置いているようだ。人数の少ない会社は、取材を受ける方と直でやりとりすることもまだまだ多い。広報担当がいる場合といない場合、それぞれ良い点、悪い点があるのだが、今回は事業会社も含めて「広報担当者がいた場合」の残念なエピソードをいくつか紹介したい。

「印刷に使えないので再送を」の不毛さ

カルチャー誌の編集という仕事柄、写真やアイテムの画像を依頼することが多い。図版を大きく使うので、画像の良し悪しが誌面の見映えを左右する。非常に大きな誌面構成要素だ。自分たちで撮りおろせればいいのだが、それがかなわない場合は先方から写真などをもらうことになる。

この画像をめぐる広報担当者とのやりとりで"あるある"なのが、「これでは印刷に使えないので、もっと解像度の高い写真を送ってください」と画像の"差し戻し"が発生するケースだ。印刷物に携わる人なら知っていると思うが、ウェブでは使える画像でも印刷物では解像度が不足することがある。最初からどちらの媒体でも使えるように用意してくれたら一番いいのだが、「まず手持ちの画像を送ってみて、メディアから言われたら再手配する」というスタンスの広報担当者が多いのは残念だ。

もちろん広報担当者は紙媒体だけではなく、テレビやウェブメディアなど様々な媒体と付き合いがあるので、印刷についてもっと詳しくなってほしいとは言えないのだが……。ただし、知っておいてほしいのは、誌面に映えるビジュアル素材が十分なサイズで届けば、「この写真をメインに大きくレイアウトしよう!」と格上げされる場合もあるということ。

逆に思ったような画像が手に入らなければ、「仕方ないから想定よりも小さく使おう」と考えたり、最悪の場合、ページの扱い自体を減らしたりといった判断に至ることもある ...

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