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自治体PR入門

あなたの自治体の魅力、「誰に」届けますか?

オズマピーアール

日本全国で「自治体PR戦国時代」を迎えている現在。広報の基本と戦略に活かすヒントをこの分野の専門家がお届けします。

    今回のポイント

    (1)情報を伝えたい相手(ターゲット)を具体的にイメージする

    (2)ターゲットに伝わりやすい内容や手法は何なのかを考える

    (3)必ず成功するという方程式はないが、考え方やコツを知る

地方創生が叫ばれるなか、課題解決のひとつの方策として、PRに力を入れる自治体が増えてきています。国内外からの観光誘客、特産物の消費や市場の拡大、移住促進、子育て環境の良さの訴求、市民の健康増進など、行政のあらゆる事業にPRが求められています。

また、「スタバはないけど日本一のスナバ(鳥取砂丘)はある」(鳥取県では2015年5月にスターバックスが初出店した)、「(鳥取)砂丘からサンキュー」などのダジャレで一躍注目を浴びた鳥取県の平井伸治知事をはじめ、首長自ら率先してPRに取り組む自治体も目立ってきています。年々、自治体PRの競争は激化し、まさに「自治体PR戦国時代」といわれる時代に突入しているのです。

しかし、戦略に基づき、工夫を凝らした手法を採用したPR事例を見る一方で、せっかく予算や人手をかけているのに「もったいない」と正直感じるものもあります。

読者の皆さんの中には、この春から広報担当部署に配属された、あるいは観光・流通・産業・移住・教育・健康増進などの業務でPRの視点が求められている方も多いかと思います。あるいは、行政の方々とお仕事をされる民間企業の方も増えていることでしょう。本連載では、「明日から実務で役立つ」を合言葉に、自治体におけるPRを成功に導く考え方やコツなどを、実例を交えて解説していきます。

「ダジャレ知事」との異名をとる鳥取県の平井伸治知事。キャッチーな発言の数々から、「首長の発信力次第で、地域の魅力は最大化できる」と実感させられる。

誰に伝えたいかを想定する

自治体におけるPRの対象(ターゲット)は、市民・県民、企業や団体、市外・県外の人、省庁、メディアなど実に多種多様ですが、個別事業のPRにおいては、目的や内容によって具体的にターゲットをイメージすることが大切です。

例えば「高品質で希少性が高く、価格の高い地元特産フルーツ」の消費拡大を目指した事業であれば、実際に買ってくれそうなのは誰なのかを考える。「将来的な人口増加を目指す事業」であれば、どこに住んでいて、どのような家族構成で、どんな生活を送っている人に移住してほしいのかを考える。「市民の健康診断の受診率向上」を目的とした事業であれば、どの世代の受診率が低く、その人たちがいつ、どこで情報を受け取っているのかを考える。

つまり、常にターゲットをイメージすることから始まるのです ...

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