「外食元年」とも言われた1970年に創業した、日本KFCホールディングス。40年近く東京・恵比寿を拠点としてきたが、2月に横浜・みなとみらいに移転した。長く大切にしてきた伝統と、高い理想を掲げた革新性あるオフィスを目指している。
ケンタッキーフライドチキンやピザハットなどを運営する日本KFCホールディングスは、2017年の2月に横浜・みなとみらいの新オフィスへと移転した。
この移転にあたっては、プロジェクトメンバーが約10社のオフィスを視察するなど機能面やデザイン面を検討してきたほか、全社的な「働き方改革」を掲げた大がかりなプロジェクトとなった。フレックス制や20時消灯、オフィス全面禁煙を導入したことや、会議を大幅に削減し、意志決定に関わる会議を優先すると決めたことなどもその一例である。
構造の特長としては、これまで拠点としていた東京・恵比寿のオフィスでは3フロアに分かれていた執務エリアをワンフロアに。各部署間の壁をつくらず全体が見渡せるようにして、コミュニケーションの円滑化を図っている。
また、役員の席の近くにいすを置き、各種案件に関する相談や説明などをその場で行うことで、決定までの流れをスムーズにした。多くの社員から、この執務エリア、またフリースペースについても「開放的でコミュニケーションが図りやすい」と評判は上々だ。
さらに新たな取り組みとして、横浜市との連携も深めている。通常は商品の研究開発現場となる「カーネルキッチン」と呼ばれる調理施設で、市内外の小中学生が実際に調理を体験できる食育イベントを年間60回程度開催したり、修学旅行生を受け入れたりと外部への開放を進める。この4月からは市内の店舗のみの限定メニューも提供しており、「地域密着型企業」という姿勢を示している。
「創業者のカーネル・サンダースは、7歳のときに自分で焼いたライ麦パンを家族が喜んで食べるのを見て、『おいしいものは人を幸せにする』と思い至り …