2001年の広報会議で、何が語られていたのか?16年前の座談会を特別公開
月刊『宣伝会議』2001年10月号に掲載した、第1回の「広報会議」復刻版をお届けします。「企業の組織再編が進むなか、広報セクションの役割が経営の根幹に近づいています。これに伴い、広報担当者の業務は拡大・深化。業界の動向・各社の取り組みなど、日ごろ広報の業務に携わる読者の方々からも、多数のお問い合わせが編集部に寄せられるようになりました」──。
通巻100号記念企画「広報の仕事に必要なこと」
広報というと、メディアに接する華やかな仕事などと思われがち。ところが長く現場を知るベテランは、酸いも甘いも知っている。それでもやっぱり、この仕事を続けてきたのは理由がある。
江崎グリコ
グループ広報部 部長
岡本浩之
2016年1月、タイで当社として初の海外でのアイスクリーム事業を開始、現地でメディアリリースを実施した。実施にあたっては、新聞、テレビなどのマスコミだけでなく、現地の有名ブロガーやインスタグラマーなどへの仕掛けも同時展開。発売後消費者が個人のインスタグラムなどで次々と商品を拡散するなどの動きが起き、発売後半年ほどはお店に商品が並んでも数時間で売り切れてしまう異常な状況となった。SNSの影響力の強さを見せつけられ、今後はSNS施策抜きの広報展開は考えられないとの認識を新たにした。
はとバス
広報室 室長
永野正則
誰もが知っている週刊経済誌の編集局長(当時)がコメンテーターを務めるラジオ番組の中で、私たちの広報活動について素晴らしいとコメントしてくださった。面識もなかったが、たまたま聴いていた一般の方から知らされ、すぐに広報全員のキスマーク付きの感謝状をつくり、アポなし持参。直接お礼はお伝えできなかったが、その行動にもウイットに富んでいて素晴らしいと電子メールで応えてくださった。しかしながら編集局長はいつの間にか社長になってしまい、未だに名刺交換すらできていない。社外の人に褒められることが何より嬉しい。
ブッキング・ドットコム・ジャパン
PR・マーケティング 部長
岩崎 健
危機管理はできれば遭遇したくないリスクを伴う仕事です。現職ではありませんが数年前に起こった出来事は、とても貴重な経験になりました。既成概念にとらわれていたら取り返しのつかないことになっていたと思います。有事には、きっちりと先回りをしたプランを立てることがマストです。国境を越え、職域を超え、時には責任範疇を超え、大事なことはスピードと常識力です。トップを巻き込み、そしてトップを支えましょう。1分、1秒が大切。事は時間を選んでくれません。現に始まりは、朝の3時半でした。
アメリカン・エキスプレス・インターナショナル
副社長 広報 日本/アジア・太平洋地区担当
エディ操
アメックスでは昨年から新しいブランド広告を展開しています。広告だけでは伝えきれないアメックスブランドの色々な側面を広報活動を通して伝えるべくチームで試行錯誤を続けています。ソーシャルメディアを介したり、オンラインのみならずオフラインでのイベントなども含めて、反響をいただくことができるのが広報活動の醍醐味です。
キヤノンマーケティング ジャパン
理事 ブランドコミュニケーション本部 本部長
上野 敦
2014年に発表した写真愛好家向けのカメラでは、被写体にも注目した広報活動を展開しました。記者発表会では、鉄道、飛行機、野鳥、スポーツなどの第一線で活躍するフォトグラファー14人を招いたトークイベントを展開したほか、それぞれのジャンルの媒体を多数招致し、話題の拡散を狙いました。結果として、通常は掲載していただけない専門媒体にも新製品情報が取り上げられました。また、野鳥や鉄道など…