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入試直前期に取材が集中・・・広報体制はどうする?

榊原康貴(東洋大学 総務部広報課 課長)

800近くある国公私立大学が受験生や資金を求めて競争する教育現場。スポーツ選手を多く輩出する東洋大学で広報を務める榊原康貴氏が、現場の課題や危機管理などの広報のポイントを解説します。

1月30日に行われた、大相撲ダブル入門記者会見。登壇者が多く、バックパネルの左右が足りない。

2017年もひと月余りが過ぎ、大学は入学試験のシーズンのただ中です。1年間の広報活動の成果が明らかになる時期なので、関係者は志願者速報に一喜一憂しているのではないでしょうか。おのずとこの時期は入試関連の取材が多くなってくるものです。

ただ、入学試験の裏側では多数の広報案件が同時に進行しています。つい入試に気を取られがちですが、ニュースの好機は逃したくありません。今回は、入試直前の時期にあたる1月30日に同時進行で行われた、2人の学生の相撲部屋入門記者会見と、「電子書籍アクセシビリティ」に関するシンポジウムでの広報対応について書きたいと思います。

ダブル会見、学生2人が力士に!

世間では、稀勢の里の初場所優勝、そして19年ぶりの日本出身横綱誕生で盛り上がる大相撲。東洋大学では初場所で活躍した御嶽海関(みたけうみぜき)(法学部2015年卒)をはじめ、過去に角界入りした卒業生が何人もいます。

学生時代に活躍したアスリートたちの中にはその実績を買われ、就職先としてプロの世界へ進む学生も多いのです。私もかつて就職関連の部署にいたときには、就職先として「プロ野球○○○」「大相撲○○部屋」などと書かれた進路決定届を時折目にしていました。

さて、2017年3月の卒業予定者では、2人の学生が力士になるべく相撲部屋に入門します。今回の相撲部屋入門はメディアからの要請も多く、記者会見を段取ります。私たち広報も数々の記者会見を主催してきましたが、ダブルでの入門記者会見は初のこと。2年前の御嶽海関の入門会見を参考に様々なアレンジを加えて臨みました。

荒汐部屋に入門するのは、法学部4年の大波 渥(あつし)君。体重115キロと昨今活躍が目立つ小兵力士ということもあり、その高い身体能力から繰り出すスピードや技など競技の面でもメディアから注目されています。

また、彼は3兄弟の末っ子で、兄弟全員が荒汐部屋に入門、祖父と父親も相撲取りの「3世代&3兄弟力士」という大相撲一家!否応なく注目が集まります。競技や家族構成の両面で今後は情報バラエティなどからの、初土俵を含め密着取材が入るのではないでしょうか。いずれにしても注目が集まる要素を多分に持った学生なのです。

もう一人の高砂部屋に入門する法学部4年の村田 亮君は、160キロの巨漢、パワーのある突き・押しを武器に土俵での活躍が期待されています。学生時代の活躍も目覚ましく、その実力も高く評価されての入門。名門・高砂部屋での先輩力士たちとの切磋琢磨に注目が集まることでしょう。

さて、こうした「ダブル入門」のケースでは2人の学生の紹介順や、お世話になる部屋の親方の席次や順番など気を遣います。また、登壇者も両学生と両親方は必須として、学長や相撲部監督は登壇するか否かなども検討しなければなりません。

しかも、登壇者の皆さんは一様に体格が良い(笑)。会見場では机のレイアウトにも余裕を持たせるなど ...

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