複雑化する企業の諸問題に、広報はどう立ち向かうべきか。リスクマネジメントを専門とする弁護士・浅見隆行氏が最新のケーススタディを取り上げて解説する。
2016年11月末、ディー・エヌ・エー(DeNA)が運営していた医療情報に関するキュレーションサイト「WELQ(ウェルク)」に掲載されている医療情報の薬機法違反、記事の著作権侵害、SEO上の問題点について批判が殺到し「大炎上」しました。
一部では以前から批判があり、DeNAは11月初旬に「不倫」などのキーワードを使用した記事を非公開化。11月25日には専門家に対し医学的知見から記事を監修するよう依頼し始め、また読者向けの「通報フォーム」を設置するとのリリースを発表していました。しかし、正確性や著作権侵害の指摘があった記事を継続して公開していたため、「炎上」は鎮火せず、謝罪会見を開くまでの事態に至ったのです。
「炎上」の火種は何だったのか
ネットの炎上がきっかけとなって企業が危機管理対応を迫られたのは、2016年8月に起きたPCデポの高額解約料問題と同様です。薬機法違反や著作権侵害、消費者契約法違反のおそれという違法性の指摘が、DeNAやPCデポのケースでネットが炎上したきっかけであることは間違いありません。
しかし、炎上に至った本当の理由は …
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