経営者の「プレゼン力」を診断。声・表情・身振り・ファッションといった視点から毎号、分析します。
恵比寿のレストラン「ジョエル・ロブション」をバックに、ポルシェの新型車「パナメーラ」が会場に現れた。舞台中央に降り立ったのは、バラの花束を手にした仮面の紳士。ゆっくりと仮面を外したその人こそ、ポルシェジャパンの七五三木(しめぎ)敏幸社長だ。「今宵はシャトー・パナメーラの城主、七五三木です」と名乗るサプライズで、発表会の幕は上がった。
かなり練習を重ねたのだろう。冒頭4分のプレゼンでは、シェイクスピア劇さながらの美しい台詞を見事に繰り出していた。「この世で嫉妬ほど多種多様なものはない。私はこの車に嫉妬しています。これほど完成度の高いものがこの世にあるのか?私もこうありたかった」「地球上にこれほど機能と美しさを具現化しているものが存在していたでしょうか?そうです、それがパナメーラです」。
その振る舞いも「城主」そのもの。「マッサージ機能は運転席だけなのですか?」というゲストの質問に対し、「いかようにも対応できます」と古典的なポーズで深く会釈する姿勢。徹底して「城主」になりきっており、プロンプターを使わずスムーズに話していた。
今回のテーマは「911(ポルシェのスポーツカー)が嫉妬する、4ドアセダン新型パナメーラ」。会見中も「嫉妬」というキーワードが繰り返され ...
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