日本唯一の広報・IR・リスクの専門メディア

元報道記者の弁護士が提言 メディアの動きを先読みする広報になる!

記事の削除依頼は可能か?ネット上の誹謗・中傷への対応方法

鈴木悠介(西村あさひ法律事務所・元TBSテレビ記者)

テレビ局報道記者出身の弁護士が法務とメディア、相互の視点から特に不祥事発生時の取材対応の問題点と解決策を提言します。

今回は、広報担当者や法務担当者の方から質問をいただくことが多い「インターネット上の誹謗・中傷への対応策」について取り上げます。

図1のケースでは、ブログに書かれている記事の内容は事実無根であり、A社の名誉を著しく毀損するものであることから、A社としては「該当する記事を削除してほしい」と考えるでしょう。手段はいくつか考えられますが、記事の削除を求める際に、誰を相手とするかによって、(1)記事の発信者を相手方とする方法(2)ウェブサイトの管理者を相手方とする方法という2パターンに分けることができます。

図1 ブログを通じた企業に対する誹謗・中傷の例

誰を相手に記事の削除を求めるのか

直感的には、記事の発信者自体を相手として記事の削除を求める方が直接的かつ実効性ある解決方法のようにも思えます。被害を受けたA社が、この記事を発信している主体そのものに対して何らかのアクションを起こしたいと思うのは自然なことでしょう。しかし、一般的にブログは匿名で記事が作成されることが多く、ブログ記事の発信主体の特定に苦労することも少なくありません。

匿名でのブログ記事の発信者を特定するには、以下の2段階の手続きが必要となるからです。

◯対象となる記事を特定した上で、コンテンツプロバイダに対して、「発信者が当該記事をアップロードするために、コンテンツプロバイダにアクセスした際の痕跡情報(IPアドレスとアクセス時間)」を開示するよう請求する

◯開示された痕跡情報を基に、インターネットサービスプロバイダに対して、問題となるアクセスを行ったプロバイダ契約者に関する情報の開示を請求する

いずれの手続きについても、裁判によらず任意で請求することも可能です。しかし …

あと80%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

元報道記者の弁護士が提言 メディアの動きを先読みする広報になる! の記事一覧

記事の削除依頼は可能か?ネット上の誹謗・中傷への対応方法(この記事です)
企業不祥事の発生を防ぐ 「社内広報」の役割を見直そう
リークによるスクープ記事とインサイダー取引のリスク
社員による、メディアへの内部告発を未然に防ぐためには?
まさかのオフレコ破り!記者との約束はどこまで有効か

おすすめの連載

特集・連載一覧をみる
広報会議Topへ戻る

無料で読める「本日の記事」を
メールでお届けします。

メールマガジンに登録する