記者と広報は、なぜすれ違う?第一線で活躍するメディアの記者に本音で語ってもらいました。
記者の先輩や友人らと酒を飲みに行くと、様々な「残念な広報」が話題にあがります。約束を守らない。連絡をとりたくても居留守をつかって逃げ回る。所属する媒体の影響力によって露骨に態度を変える……などなど。
ただ、個人的にはそういうエピソードを耳にしても、あまり「残念だな」とは感じません。約束を反故にする。都合の悪い電話に出ない。相手によって態度を変える、なんてのは新聞やテレビの記者、雑誌のライターのなかにもかなりの割合で存在します。むしろ、個人的には「残念な記者」の方が圧倒的に多い印象もあるので、広報云々というよりも単に「残念な人」というように思うからです。
だったらお前はどんな広報に対して、「残念」と思うんだよ、という声が聞こえてきそうですので、結論から先に申し上げてしまいますと、「広報という仕事にプライドを持っていると感じられない広報」です。その方の企業広報という仕事に臨む姿勢というか、組織における自分の役目をどう捉えているかというお話です。
誠実な担当者の「はぐらかしコメント」
どういうことかご理解していただくため、ちょっとしたミスというか不祥事を起こした某有名企業の広報の方を例に出させていただきます。記事にするため、企業としてのコメントをくださいと取材を申し込んだどころ、対応にあたってくれたのが、その広報の方でした。いかにもマスコミ対応に慣れているという感じで ...
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